2008 Fiscal Year Annual Research Report
高速遠心分配分離法のよる廃棄物中の希少金属再資源化プロセスの創生とシステム設計
Project/Area Number |
19560743
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
永長 幸雄 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (20020224)
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Keywords | 遠心分配分離 / 希少金属 / 液-液抽出 / クロマトグラフィー / 再資源化 / プロセス工学 |
Research Abstract |
最近、希土類金属は特徴ある物理化学的性質を有していることから、様々な製品の原材料に使用されている。たとえば、蛍光灯やテレビなどの電化製品、二次電池、携帯電話への利用はよく知られている。2000年には資源循環型社会形成推進基本法が制定され、廃棄物からの有用資源の回収及びリサイクルの実現が急務となっている。このような背景から、様々な金属廃棄物から有用な金属を取り出し、化学的な方法で抽出分離する方法を開発している。本研究では、遠心液-液分配クロマトグラフィーにおける抽出分離部品として、12個のステンレス棒にコイル状にテフロン管(長さ100m)を巻きつけて、それを偏心状に配置し、そのコイル中で多段階分配分離を行わせることにした。テフロン管の全体積は約30mLであった。今回はヘプタン中に三種類の有機リン酸(D2EHPA, PC-88A及びCyanex 272)を別々に溶解したものを固定相とし、分離特性を検討した。移動相にはトリクロロリン酸溶液を用い、13種ランタン族イオンの一斉相互分離を試みた。まず、ランタン族金属イオンの液-液抽出を行って分配比を求め、その結果得られた半抽出pHから、原子番号が隣接する金属イオンの相互分離を予想することができた。特に、13種ランタン族金属イオンを軽、中重、重の3グループに分けて混合試料溶液を作成し、各種実験パラメーターに関する研究を行った。グラジエント溶離法を用いる一斉分離では、三種類の有機リン酸のうちD2EHPAが最も良好な結果を得た。また、Cyanex 272では軽ランタン族金属イオンの分離に有用であることがわかった。
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Research Products
(3 results)