2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560748
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
大中 逸雄 Osaka Sangyo University, 大学院・工学研究科, 客員教授 (00029092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 明 大阪産業大学, 大学院・工学研究科, 客員教授 (10335375)
安田 秀幸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60239762)
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Keywords | 軽合金の無欠陥鋳造法 / 高生産性鋳造法 / 潜熱利用金型 / 数値シミュレーション / 可視化実験 |
Research Abstract |
1.申請書に記載した2個のプランジャ・チップを使用し、溶湯をプランジャ・スリーブ中に吸引して鋳型空隙部に射出する装置を製作し、試運転を実施した。しかし、研究費上の制約で、従来装置を無理して改造したため、寸法精度が不十分で射出実験ができず、改善には予算をかなりオーバーすることが分かった。一方、その後、中小企業ものづくり基盤技術の高度化事業で、本原理による研究開発に予算がつき、本格的開発が可能になった。さらに、上記の経験を基に、より勝れた可能性のある方法を考案したので、その研究に取り組んだ。2.申請書に記載のアイデアの問題点としてのチップの駆動や欠陥発生の要因となるスリーブを使用せず、ストークの上端を減圧して溶湯を吸引し、高真空に保持した鋳型空隙部下部の消耗式シールに溶湯を接触させ、シールを溶解し外気との圧力差で一挙に空隙部を充満させる装置を試作し、鋳造実験を実施した。その結果、予想通り、空気の巻き込みがなく、しかも従来極めて困難であった常温鋳型で肉厚1mmの薄肉鋳物さえ製造できる可能性があることが分かった。3.亜鉛合金の溶解・凝固潜熱を利用して鋳型の温度制御を行う新たな方法について数値シミュレーションにより、その効果を検討し、有望であることが分かった。4.X線による可視化実験について準備したが、上記装置の問題解決に時間が取られ、さらにX線源高圧ケーブルが経年劣化により絶縁破壊し、修理完了が4月末となってしまったため、今年度は実施できなかった。5.湯流れ推定シミュレーションの改善および最適射出条件設定プログラムの基本設計を行った。 これらの研究成果は、省エネルギや地球温暖化と関連して輸送機器の軽量化ニーズが高いAlやMg合金などの軽合金で、信頼性の高い高強度・高精度・複雑形状鋳造品の製造に大きく貢献する可能性がある。
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Research Products
(5 results)