2008 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子の精密ハンドリングのための表面電荷制御法の開発
Project/Area Number |
19560753
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松坂 修二 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (10219420)
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Keywords | 微粒子 / 静電気 / 帯電 / 制御 / 電界 / 固気二相流 |
Research Abstract |
帯電微粒子の運動を制御するには,電荷の制御が必要不可欠である。粒子が金属等の異種物質と接触して帯電する場合,電荷移動の駆動源は表面間の接触電位差である。粒子を壁と繰り返して接触させると粒子は帯電するが,これに伴う電気影像効果によって逆電位差が生じるので,粒子の表面電荷密度は平衡に達する。この現象を利用して,気流とともに搬送される微粒子を効率よく帯電させる遠心接触式粒子帯電制御装置を開発した。本装置は逆円錐台形であり,粒子を上端から円周に沿うように導入し,下端から円周の流れに沿って排出させる方式を採用した。いわゆる,接線流入・接線流出方式であり,粒子を気流とともに旋回させて,遠心力で側壁に押し付けることにより,粒子と壁との接触効率を高める。仕事関数の異なる2種類の金属壁を装置の内側に取り付けて,粒子を旋回させながら2種類の金属壁と交互に接触させると粒子の帯電量は所定の範囲に保持できる。2種類の壁の材質および面積比を変えると粒子の帯電量を任意に変更できるが,帯電量をその場で簡単に変更および制御するには,装置内の粒子の移動空間に電界を印加して有効接触電位差を変える必要がある。逆円錐台形の帯電装置に電界を印加できるように対向電極を取り付けて帯電の制御性を検討した結果,粒子は正にも負にも極性を変えられること,および帯電量の制御も容易であることが分かった。また,外部電界による粒子の帯電は,有効接触電位差モデルから導出した理論式によって説明できた。粒子の比電荷(単位質量当たりの帯電量)と印加した外部電界の関係は,粒子の動的接触帯電の特性を表しており,粒子の帯電量がゼロになる外部電界が重要な特性値になることも分かった。
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Research Products
(4 results)