2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学計算支援による金属ドープ型アモルファス骨格構造制御と気体分離膜空間創製
Project/Area Number |
19560755
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉岡 朋久 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50284162)
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Keywords | 多孔性セラミック膜 / 気体分離 / 分子動力学法 / 金属ドープ |
Research Abstract |
本年度は,金属添加シリカおよびジルコニアコロイドゾルの調製とそれらゲル粉体試料の構造評価,および様々な構造を有するアモルファスシリカ膜における気体透過現象を分子動力学シミュレーションにより再現することを目的として,以下のとおり研究を実施した. 1.金属添加コロイドゾル調製と金属添加セラミック材料のキャラクタリゼーション 膜の焼結による緻密化抑制効果が期待できるNi,耐水蒸気性向上が期待できるZr,Siとの親和性が高いFeおよびAlをシリカへの添加金属とし,また,ZrO_2の構造安定性を高めるY(イットリウム)をジルコニアへの添加金属として用いて,製膜に使用可能な安定な金属添加コロイドゾルの調製が可能であった.膜材料であるこれら金属添加コロイドゾルを乾燥させ,空気中や水蒸気共存下で焼成することにより得られる粉体試料のX線回折パターンや窒素吸着等温線を測定し,比表面積や動径分布解析より,添加金属種によりミクロ構造およびその安定性が異なることが明らかとなった. 2.多様な構造を有するアモルファスシリカ膜における気体透過の分子動力学シミュレーション 金属添加によりミクロ構造が異なることを考慮し,分子動力学法を用いることで様々な多孔膜構造の再現性と,膜構造と気体透過特性の相関について検討し,透過速度の温度依存性や透過分子種といった透過特性の観点から,多元的な細孔構造を有するシリカ膜について,実測の気体透過速度を再現可能であることが判った。 これらの結果を踏まえ,来年度は金属添加セラミック膜における気体透過特性とミクロな膜構造の関係について分子動力学シミュレーションを援用してさらに検討を進める予定である.
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