2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学計算支援による金属ドープ型アモルファス骨格構造制御と気体分離膜空間創製
Project/Area Number |
19560755
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉岡 朋久 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50284162)
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Keywords | 多孔性セラミック膜 / 気体分離 / 分子動力学法 / 金属ドープ |
Research Abstract |
本年度は,分子動力学法によるシリカおよびその他の金属元素からなる仮想アモルファスセラミック膜作製と,金属添加シリカおよびジルコニアコロイドゾルを用いた分離膜作製を目的として,以下の通り研究を実施した. 1,多様な元素からなる多孔性アモルファスセラミック構造再現のためのポテンシャル関数の検討 シリコン(Si)以外の金属元素を含んだアモルファスセラミック膜のミクロ構造を分子動力学法により再現するために,従来のSiO_2に特化した修正BMHポテンシャル,SWポテンシャルの他に,汎用性を考慮したBKSポテンシャル,Teterポテンシャルを用いて仮想アモルファス構造を作製し,様々な多孔膜構造の再現性と,膜構造と気体透過特性の相関にっいて検討した.膜構造の動径分布関数,気体透過速度の温度および分子種依存性から,アモルファスな金属酸化物ネットワークから成る微細空隙構造を有する膜が再現可能であることが明らかとなった. 2.金属添加セラミック材料のキャラクタリゼーションと多孔性分離膜作製 シリカへの添加金属としてコバルト(Co)を用いて作製した分離膜は,500℃,水蒸気分圧300kPaという高温水蒸気雰囲気下において安定した高い水素透過性を示し,水素/窒素透過速度比で250-750倍という分離性能を示した.これより金属ドープによる耐水蒸気性の向上と膜の緻密化抑制効果が確認された.また,ZrO_2の構造安定性を高めるイットリウム(Y)をジルコニアへの添加金属として20Mol%添加したコロイドゾルを用いることで,平均細孔径が約0.8mmであるYSZ膜の作製が可能であった.この膜は高い分子箭性能は示さなかったが,Knudsen拡散によるガス分離能を示し,気体分離膜およびその基材の材料としての可能性が示唆された.
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Research Products
(4 results)