2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内情報経路を標的としたハイスループット型リン酸化タンパク質分離材料の創製
Project/Area Number |
19560760
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
上江洲 一也 The University of Kitakyushu, 国際環境工学部, 教授 (40253497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 智謙 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20335699)
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Keywords | リン酸化タンパク質 / ジルコニウムイオン / リン酸オレイル / 界面鋳型重合法 / 金属固定化クロマトグラフィー(IMAC) / プロテオーム / β-カゼイン / フォスフォラーゼ |
Research Abstract |
遺伝性疾患、免疫系の異常、癌等の正確かつ簡便な診断法を確立するには、特定の代謝や情報伝達経路をターゲットに特徴的な関連タンパク質を網羅的に解析することが必要である。また、情報伝達系や免疫系の診断では、指標タンパク質の動的な解析も欠かせない。そこで、細胞内情報伝達系および免疫系タンパク質のプロテオーム解析をハイスループット化するために、高収量、高精度、高速度を実現する新規の分離技術が求められている。 全細胞タンパク質の中から網羅的にリン酸化タンパク質およびペプチドを単離・濃縮する精製法として、金属(Fe^<3+>、Ga^<3+>)固定化アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)を用いた方法が開発されている。また近年、ジルコニウム-リン酸基複合体(Zr-Phos複合体)がリン酸基をもつ高分子に高いアフィニティーを示すことに着目した報告が多くなされている。そこで、本研究では、Zr-Phos複合体をリン酸化タンパク質認識部位として、樹脂孔表面に高密度に集積させたIMAC用樹脂を調製することを目的とした。上でリン酸化タンパク質を網羅的に分離・濃縮することが可能ではないかと考えた。 本研究の成果は、ゲストイオンとしてジルコニウムイオン、機能性ホストとしてリン酸基と2つの長鎖アルキル基をもつリン酸オレイルを用いたW/O/W型界面鋳型重合法により、Zr-Phos複合体を樹脂孔表面に固定した樹脂の調製に成功した。本樹脂は、β-Casei及びPhospholase中に存在するリン酸化タンパク質に対して選択的に分離することに成功した。今後は、任意のリン酸化タンパク質を特異的に分離可能なIMAC用界面分子インプリント樹脂の調製を行う予定である。
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Research Products
(2 results)