2007 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧乳化法による高粘性流体のナノエマルション化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19560761
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
庄野 厚 Tokyo University of Science, 工学部, 講師 (20235716)
|
Keywords | 乳化 / エマルション / スプレー / 液滴径分布 / 粘度 / 表面張力 / ニューラルネットワーク / 相関式 |
Research Abstract |
噴霧乳化法による調製されるエマルションの液滴径分布に影響を及ぼすプロセス因子の抽出・定量化について検討した。実験は、水相にイオン交換水、油相にサラダ油・シリコーン油・ドデカン・ヘキサン等を用い、界面活性剤無添加系で行った。油相体積分率は0.2として実験を行った。本法における操作変数は空気流量と空気圧力、液流量である。また、そのほかにノズル口径、液物性が変数となる。結果より、空気流量の増加、あるいは液流量を低下させることで液滴径は小さくなることがわかった。液流量が小さい方が単位体積当たりの液相に空気流から与えられるエネルギーが大きくなるため、より小さい液滴をもつエマルションが生成したものと考えられる。また、粘度と界面張力の影響を検討したが、液滴径はいずれの物性にも大きく影響を受けたため、いずれかの一方の物性と液滴径の間に相関関係を見出すことができず、液滴径は油相の粘度と界面張力の大きさの兼ね合いが重要であることが示唆された。そこで、ノズル口径、界面張力、水相の粘度、水相の密度、油相の粘度、油相の密度、空気流量、油の流量、水の流量を入力変数に、平均液滴径を出力変数としたニューラルネットワークによる解析を試みた。入力変数のうち、空気流量が負の方向に、油相の粘度と水に対する界面張力が正の方向に大きな影響を及ぼしていることがわかった。これは液滴径を小さくする因子は空気流量であり、空気流量が大きいと液滴径を小さくするのに有利であり、逆に粘度と界面張力が大きいと不利であることを意味する。液滴径の実測値とニューラルネットワークによる予測値の収束率は63%であった。次に、ノズル口径で無次元化した平均液滴径と操作変数および液物性を用いた相関を試み、Z数(慣性力、粘性力、表面張力を用いた無次元数)と水相と油相の粘度比を用いた相関式により相関係数0.65程度で実験結果を表現することができた。
|
Research Products
(1 results)