2008 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト水熱プロセスによるRNaseの不活化と新しい滅菌法の開発に関する研究
Project/Area Number |
19560763
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮本 徹 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教育研究支援者 (10443988)
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Keywords | 水熱プロセス / 酵素活性 / 蛋白質 / 不活化、失活 / 環境技術 / 高温高圧水蒸気 / 内毒素 / エンドトキシン |
Research Abstract |
【目的】エンドトキシン(Lipopolysaccharides : 内毒素)は、強い耐熱性を有しその不活性化には過酷な条件下での加熱処理(250℃, 30min)が必要である。この乾熱法では金属やガラス製等の耐熱性容器・器具類にしか適用できない。また、医薬品GMPおよび治験薬GMPにより、無菌製剤において製品や製造環境についてエンドトシン管理に高い技術と信頼性が要求されている。我々は、ソフト水熱プロセスによる新たな高圧水蒸気滅菌のメカニズムを明らかにし、140℃以下の比較的低温度領域で器具や溶液中のエンドトキシンを不活性化できる新しい滅菌法を開発した。【方法】USPRSE(2000EU/ml)10μlをバイアル(5ml)に滴下し、安全キャビネット内で24時間自然乾燥させた後にエンドトキシンフリー水を滴下し容器内を所定の蒸気飽和度として、所定条件の水熱処理を行った。水熱処理後のエンドトキシンは分析範囲になるようにエンドトキシンフリー水で希釈しよく攪拌した後に、200μlをエンドトキシンバッファー200μlで溶解したES-24Sに添加し攪拌後、EG Reader SV-12で定量化した。【結果および考察】エンドトキシンの毒素活性は、130℃,60minないし140℃, 30minの密閉系で蒸気飽和度を充分高くすることにより不活性化した。また、同条件下の流通系でも不活性化した。さらに、エンドトキシンフリー水は、同条件下で製造出来ることを示した。エンドトキシンの不活性化の境界条件は、高蒸気飽和度下で130℃, 60minないし140℃, 30minであり、ソフト水熱プロセスのもとで蒸気飽和度を制御することにより劇的に不活化することを示した。そのメカニズムは、リピドAの乖離分散とリピドAの加水分解によると考えられる。
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Research Products
(5 results)