2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560768
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
松橋 博美 Hokkaido University of Education, 教育学部, 教授 (70192341)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 固体酸・塩基 / 有機工業化学 / 格子欠陥 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
固体塩基触媒としてのMgOについて、表面の耐水性および耐CO_2性を向上させる目的で、酸・塩基性質をあまり示さず、水に対して親和性のない酸化物でのMgO表面の修飾を試みた。 修飾物質をAl_2O_3とし、(1)Alアルコキシドをアルコール溶液とし、加水分解物をMg(OH)_2に含浸する方法(以下W法とする)と、(2)Alアルコキシドを酢酸エチル溶液とし、表面での分解により被覆した(以下0法と略す)。0法については、Si、Zr、Tiのアルコキシドについても実験を行った。 表面修飾を行った触媒について、2-プロパノールの分解をパルス反応置で行い、転化率とアセトンとプロピレンの選択性から酸・塩基性を判断した。耐水性については、アセトンのアルドール反応で確認した。 SiO_2で修飾した触媒では、表面積は大幅に増加したが、活性はMgOと変わらず、アセトン選択性も変化しなかった。Al_2O_3では活性が大きく向上したが、プロピレン選択性が高く、塩基性の他に酸性が発現したことを確認した。ZrO_2、TiO_2については塩基性がほとんど消失していた。これらについては、Mg(OH)_2の分解温度が極端に低下していたことから、MgTiO_3やMgZrO_3などが生成していることが予想された。 アセトンのアルドール反応をMgOで行ったところ、触媒が溶解し均一系触媒として働いていることが分かった。Al_2O_3で修飾した触媒では不溶性が増加し、特に0法で合成した触媒は、全く溶解しなかった。水を5%含むアセトンで反応を行った後に触媒を乾燥したアセトンで洗浄し再度使用したところ、活性の回復が観察され、耐水性の向上が確認された。乾燥処埋をしていないアセトンを用い、繰り返し使用したが、活性低下は少なく、優れた触媒となった。
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