2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560769
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀岡 聡 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (60312823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 安邦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90225681)
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Keywords | 非固溶効果 / 複合酸化物 / ポーラス構造 / 金属間化合物 / ナノポーラス金 |
Research Abstract |
本研究では、金属元素同士(組み合わせ)の相互作用の違いを金属間化合物、固溶系、非固溶系にきっちり分類する金属学的視点からの触媒調製ならびに設計を行う。中でも、未開拓分野である金属間の非固溶効果と触媒特性にスポットをあて、非固溶効果を利用した金属ナノ組織制御(ナノ粒子形成と粒子径制御など)、酸化・還元特性(morphology変化など)と触媒機能を明らかにすることを目的としている。本年度は、銅と非固溶関係にある代表的な金属である鉄、コバルト、クロムなどを組み合わせた触媒を調製し、新たな高性能銅触媒の調製を行った。 非固溶系金属の場合、従来法であるアーク溶解法を用いて触媒試料を調製しようとしても金属同士が互いに混ざらないために均一な試料が得られずCu粒子の分散化が困難である。そこで、我々は、酸化物を経由して一旦均一な複合酸化物を形成させ、その後、還元させることでCu粒子の高分散化を図るという手法を用いた。CuFe_2O_4およびCuCrO_2の複合酸化物を調製し、その還元挙動ならびに触媒特性について調べた。これらの複合酸化物は高温還元処理においても(CuFe_2O_4⇔Cu^*+Fe_3O_4→Cu^*+Fe;CuCrO_2⇔Cu^*+Cr_2O_3)、Cu粒子のシンタリングが抑えられているだけでなく、表面積がともに一桁増加していることがわかった。ちなみに、CuO,CuO+Fe_2O_3,CuO+Cr_2O3場合は、還元前後でこのような変化は見られず、還元後に著しいCu粒子のシンタリングおよび表面積の減少が観測されるだけだった。CuFe_2O_4ならびにCuCrO_2の還元前後における表面積増加の理由は、SEM観察の結果から、還元後は複合酸化物が還元分解され、骨格中からCuが抜けることでポーラス構造になるためであることがわかった。
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Research Products
(7 results)