2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560769
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀岡 聡 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (60312823)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 安邦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90225681)
|
Keywords | 非固溶効果 / 複合酸化物 / ポーラス構造 / 金属間化合物 / ナノポーラス金 |
Research Abstract |
本研究では、2元系金属を中心に非固溶効果を利用した高性能触媒の調製法について種々検討を行った。主な研究成果として、従来バルクでは互いに混ざり合わないGuとFeあるいはCr(非固溶系)が一旦複合酸化物(CuFe_2O_4, CuCrO_2)を形成することにより原子レベルで均一に混ざり合い、これらを還元分解することでCuナノ粒子が均一に析出・分散することを見出した。ここで析出・分散したCuナノ粒子は鉄あるいはクロムとは非固溶であり、互いに退けあう(反発作用)ため熱をかけても高い分散性を維持できることがわかった。しかも、還元分解によって構造骨格中からCuが抜け出ることで作り出された構造体は均一なメン細孔を持ったポーラス物質であった(ex. CuCrO_2→Cu*+Cr_2O_3 (porous) ; Cu* : Cuナノ粒子)。すなわち、非固溶元素を含む複合酸化物を前駆物質として還元分解することでポーラス化した酸化物表面に銅ナノ粒子を安定に分散析出でき、従来の調製法では困難であった高分散性と高耐熱性を兼ね備えたユニークな銅ナノ粒子触媒が調製できた。また、各金属原子が骨格構造中の特定サイトに配置している典型的な規則合金であるAuCu_3をHNO_3でリーチング(選択的溶出)するとCuが選択的に溶出して均一なポーラスAuが形成することを見出した。興味深いことにこのポーラスAuは、ナノAu粒子が担持されたAu/TiO_2触媒に匹敵する高いCO酸化能を有することがわかった。このことは、規則合金(または金属間化合物)を前駆物質とすることでユニークな構造・機能を持つ金属・合金触媒が調製できることを示唆している。
|
Research Products
(9 results)