2008 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍免疫を誘導増強する複合脂質膜の創製とがん治療への応用
Project/Area Number |
19560780
|
Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
後藤 浩一 Sojo University, 生物生命学部, 准教授 (30279377)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 龍一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (70099076)
|
Keywords | 腫瘍免疫 / 複合脂質膜 / 抗原提示細胞 / T細胞 / B7-1 / ムチンMUC-1 |
Research Abstract |
本研究では、T細胞を効率的に活性化して腫瘍免疫を誘導増強する新しい複合脂質膜の創製を目的としている。腫瘍免疫を誘導増強する複合脂質膜は、リン脂質と非イオン性ミセル界面活性剤からなる複合脂質膜(ハイブリッドリポソーム)にがん抗原となるムチンMUC-1の合成ペプチドとT細胞活性化の副シグナルを発するB7-1膜タンパクを組み込んだものである。B7-1膜タンパクを組換えタンパク質として得るために、まず、マウスBリンパ腫瘍細胞(A20細胞)のトータルRNAより複製した遺伝子(mB7-1cDNA)と動物細胞発現用プラスミドベクター(pcDNA3.1/Hygro(+))をそれぞれ制限酵素(Xho I、Kpn I)で処理後、ライゲーション反応を行った。ライゲーション反応液を用いて大腸菌(E.coli K12誘導体)を形質転換し、PCRによるインサートチェックを行った後、液体培養した大腸菌より組換えプラスミドを抽出・精製した。得られた組換えプラスミドをダイターミネーター法によりシーケンス解析を行ったところ、mB7-1の配列がマルチクローニングサイト内に確認され、目的の組換えプラスミド(pcDNA3.1/Hygro(+)/mB7-1)が調製されたことが明らかになった。さらに、組換えプラスミドをチャイニーズハムスター卵巣由来細胞(CHO-S細胞)にリポフェクション法でトランスフェクションした後、選択試薬ハイグロマイシンBを用いて振とう培養した。選択開始約7日後よりハイグロマイシンBに耐性のあるCHO-S細胞が増殖し、導入遺伝子発現細胞株の存在が示唆された。一方、リン脂質とポリオキシエチレン系ミセル界面活性剤からなる複合脂質膜を超音波処理により調製したところ、細網内皮系を回避可能な直径約100nm以下の安定な膜を形成することが明らかになった。
|