2007 Fiscal Year Annual Research Report
零収束エネルギー原点可制御性に基づく宇宙機のランデブ・フォーメイション
Project/Area Number |
19560785
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 朗 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (00115437)
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Keywords | 宇宙機 / 相対軌道 / インパルス / ランデブ / フォーメイション / 零収束エネルギー原点可制御性 / 最適レギュレータ / Hill方程式 |
Research Abstract |
円軌道上の宇宙機(ターゲット)とその近傍の宇宙機(チェイサ)の相対運動を表す線形化方程式は、Hill-Clohessy-Wiltshire(HCW)方程式と呼ばれ周期解を持つ。この周期解は軌道面では楕円の相対軌道を形成し、軌道上の宇宙機の点検・修理やフォーメイションに便利であり、待機軌道としても有用である。本研究では、相対軌道間の最少燃料移行問題の新しい定式化を行い、3インパルスによる最適解を導出した。また、周期解とはならない接近軌道や退避軌道への移行問題の考察も行い、準最適解を求めた。この結果より、フィードバック制御を行う場合の最適インパルス周期は、軌道周期の1/2でありチェイサの近地点または遠地点到達時であることが分った。さらに、零収束エネルギー原点可制御性(NCVE)を利用し、最適レギュレータの状態に関する重みを小さくすることにより、相対軌道の漸近的移行に要する速度変化の総和が3インパルスによる最適解に近いフィードバックが設計できることを示した。このフィードバックにより、ターゲットとチェイサの相対軌道上のフォーメイションが可能となった。また複数のチェイサによるフォーメイションは、それぞれのチェイサの相対軌道に仮想宇宙機を設定することによりフィードバックで実現可能となった。相対軌道を利用したフォーメイションは、一旦形成されるとその維持にエネルギーを必要としないため、種々の応用が今後期待される。また、本手法は、地球・月・宇宙機の制限3体問題への拡張も可能であり、ラグランジュ点L4,L5近傍の軌道移行にはそのまま適用できる。 L1,L2に関しても、最適レギュレータを利用した設計法が拡張可能であることを示した。
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