2008 Fiscal Year Annual Research Report
低軌道環境における原子状酸素・紫外線誘起コンタミネーションの脱離・付着特性解析
Project/Area Number |
19560786
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横田 久美子 Kobe University, 工学研究科, 助手 (20252794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅人 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10216806)
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Keywords | コンタミネーション / 原子状酸素 / 紫外線 / 複合照射効果 / ポリイミド / テフロンFEP |
Research Abstract |
本研究では,宇宙環境下で宇宙機表面の熱制御材と原子状酸素や紫外線との反応により材料表面から脱離した低分子量フラグメント(分子コンタミネーション)が,隣接する衛星搭載光学部品表面に堆積することによってその性能を著しく低下させることが危惧されることから,SOLAR-Bにおける検証実験の経験を基にして、ミッションに直結したデータベースの構築のみならず、分子コンタミネーション脱離・付着に関する現象を物理化学的側面から基礎的研究を行おうとするものである。そのために、本申請では(1)反応生成物の脱離確率および(2)付着特性をTQCMにより高粘度解析しようとするものである。平成20年度には付着プロセスを高精度に解析するために,差動排気用の真空系としてターボ分子ポンプシステムを用いたシステムを設計し,現有のQCMおよおび熱制御式加熱炉を改良することで温度を可変しつつ,コンタミネーション付着測定を行った。その結果,Kapton-Hターゲット温度が25,100℃のいずれの場合においてもKapton-Hからの原子状酸素との反応脱離物(付着物)が検出された。特に,100℃の場合には付着物質膜厚が0.7nmとなり,反応生成物の付着特性がターゲット温度にも依存することが明らかになった。来年度にはこの現象の原因追求を目指し,脱離物の同定を行うとともに,最終年度であることから軌道実験データと本研究結果を総合的に判断し,各種軌道環境条件での分子コンタミネーションの脱離と付着特性を総合的に検証する予定である。
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