2007 Fiscal Year Annual Research Report
小型マイクロ波放電型イオンエンジンの性能特性に関する研究
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19560792
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
鷹尾 良行 Oita National College of Technology, 電気電子工学科, 准教授 (60206711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 秀紀 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60112306)
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Keywords | 電気推進 / マイクロ波放電 / マイクロ波プラズマ / イオンエンジン / 小型推進機 |
Research Abstract |
近年の宇宙開発において、小型推進機の要求がたかまりつつある。ミッション遂行を小型人工衛星群にさせることにより、事故や故障によるミッション遂行の失敗を回避することが可能となるからである。電気推進機のひとつであるイオンエンジンは、エンジン内に生成したプラズマ中のイオンを静電グリッドで加速し推力を発生するもので、高比推力、高推進剤利用率などの特長を有している。マイクロ波放電型イオンエンジンは、プラズマ生成にマイクロ波放電を利用するもので、上記の特長に加えて小型化における利点を有する。すなわち、本イオンエンジンは、プラズマ生成に必要な電源はマイクロ波電源のみで、プラズマ源はマイクロ波を導入する放電室のキャビティ周囲に永久磁石を配置した単純な構造であるので、エンジンのスケールダウンが容易である。そこで、電源も含めたコンパクトかつ軽量な推進システムの開発が可能である。 本研究の申請者らは、これまでにイオン引出しグリッド口径10cmおよび2.5cm級のマイクロ波放電型のイオンエンジンの研究開発を行っており、2.5cm級は既に高い水準の性能を有している。しかしながら、今後の小型宇宙推進機に要求される推力等の性能を考えた場合、10cmから2.5cmの間における推進機の開発事例が更に必要である。本年度は、2.5cmから10cm間のイオンエンジン用放電室の設計を行い以下の実績を得ている。 (1)放電室内にマイクロ波を導入するアンテナの設計、製作を行った。 (2)放電室内部の磁場配意の設計を行った。 (3)イオンエンジンの性能評価用の実験体系を設計し各部品の製作を完了した。 来年度は、性能評価実験を実施し、プラズマ生成のメカニズムおよびマイクロ波放型イオンエンジン最適設計についてまとめる予定である。
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