2008 Fiscal Year Annual Research Report
ジェット噴射による極低温熱交換器の着霜低減に関する基礎研究
Project/Area Number |
19560793
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 哲也 Waseda University, 理工学術院, 教授 (80249937)
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Keywords | 熱機関 / 冷凍 / 予冷却 / 着霜 |
Research Abstract |
極低温熱交換器による空気予冷却は、ブレイトンサイクル熱機関の比出力、熱効率の向上に寄与するが、冷却面での着霜問題が主要な課題となっている。そこで、本研究では、空気ジェットによって霜層を吹き飛ばすことを提案し、実験的に実証することを目的とした。 ステンレス製のチューブに液体窒素等の冷媒を供給し、調温、調湿された空気と熱交換させ、霜層を成長させる。霜層の性質は冷却面温度に影響を受けるため、冷却面温度をパラメタとして、霜の性状とジェットによる吹き飛び効果の関係を調査した。冷媒として、液体窒素および代替フロン系冷媒を使用し、冷却管表面温度は、Tw=250,220,83Kの3種類とした。空気側の速度は着霜していないときに1m/sとし、ジェットの速度は、冷却管の前面において36m/sとした。 ジェットによる除霜をしない場合、全圧損失は冷却面温度Twが低いほど大きく、Tw=80Kの場合は、250Kの場合の約10倍の全圧損失上昇となった。ジェットを間欠的(50秒に1度)に噴射した結果、Tw=80Kの場合は、噴射した瞬間には着霜のないときとほぼ同じ圧力損失に回復し、本手法の効果を確認した。一方、220Kの場合には除霜の効果は弱く、250Kにおいては、効果は見られなかった。この理由として、霜層の表面での温度が高いと表面で液相となり、それが霜層内部に浸透することにより、密度が大きく固い霜層になるからである。実用上、Tw=250Kの場合には、霜層による圧力損失自体が小さいことより、問題ない。 さらに、実際のエンジンシステムにおける実証を目的として、模型飛行機用の小型ジェットエンジンを改良し、圧縮機出口からジェットを噴出できる実験装置を構築した。推力、温度、圧力計測により、基本的特性を取得することができたので、今後は、パラメトリックに効果を実証する。
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Research Products
(4 results)