2008 Fiscal Year Annual Research Report
惑星探査用小型飛翔体の高揚力化デバイスに関する研究
Project/Area Number |
19560794
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
高木 亮治 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 准教授 (90358466)
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Keywords | 計算流体力学 / 低レイノルズ数流れ / 高揚力装置 |
Research Abstract |
火星探査用小型飛翔体の設計・開発に必要となる空気力学関係の要素技術として、低レイノルズ数環境下での二次元翼型の空力特性の解析を数値シミュレーション技術を用いて行った。 低レイノルズ数流れでは大きなスケールの渦の挙動が重要になるため、渦の運動を高精度かつ高効率に解析できる渦法の適用を試みた。昨年度に引き続き、二次元翼型NACA4402まわりのレイノルズ数1,000の流れに対して渦法を用いた解析を行った。渦法で得られた揚力、抗力などの空力特性や計算効率を従来手法と比較した結果幾つかの知見が得られた。従来手法で大きな問題である計算格子の作成に関しては優位性を確認できたが、逆に計算効率などに関しては従来手法に比べて多くの解析資源(計算時間、計算機メモリ)を必要とするなど解決すべき課題が判明し、現時点では渦法よりも従来手法が適切であることが判明した。 高揚力化、高揚抗比化デバイスとして翼端渦、前縁剥離渦など渦の発生とその有効活用による揚力および揚抗比の増大を試みた。今年度は二次元翼型NACA4402を対象として、翼上面に小さな渦をトラップするためのギザギザ状のデバイスを設定し、それによる流れ場の変化および空力特性への影響を調べた。本デバイスを設置することで想定通り翼上面に小さな渦をトラップすることができ、その結果、低レイノルズ数流れでは大きな要因となる摩擦抵抗を減少させることができた。この結果により低レイノルズ数流れにおける揚抗比改善の可能性を示せた。
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