2008 Fiscal Year Annual Research Report
4000m水深科学掘削用CFRP製ライザー管の引張・疲労強度に関する研究
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19560803
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡辺 喜保 Tokai University, 海洋学部, 教授 (20384935)
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Keywords | ライザー管 / CFRP / 継手構造 / 4000m水深 / 科学掘削 / 弾塑性解析 / 引張強度 / 有限要素法 |
Research Abstract |
提案しているCFRP製ライザー管は、CFRP製の管本体とその両端に位置する鋼製コネクターから構成され、CFRP製管と鋼製コネクターが機械的に結合する継手構造を有している。また、CFRP製管と鋼製コネクターとの継手構造として、互いにかみ合う7組の山を設けた構造を採用し、CFRP製管を構成する7層のヘリカル層の各層を対応する鋼の山に引っかけ、周方向に巻いたフープ層で押さえる層構造を採用している。 科学研究費補助金の平成18年度の研究では、有限要素法解析モデルの樹脂部に亀裂の発生・進展経路を仮定することにより、樹脂部の破壊のプロセスを明確にした。しかしながら、この方法では、樹脂部の破壊のみを取り扱い、ヘリカル層およびフープ層の破壊を取り扱っていないため、破断荷重を求めることはできない。 今年度の研究では、ヘリカル層、フープ層および樹脂それぞれに破壊のクライテリアを設定し、設定したクライテリアに達した要素の剛性を低下させる、より一般性の高い弾塑性解析を行い、継手部の破壊のプロセスおよび破断荷重を求めた。その結果、以下の結論が得られた。 1.有限要素法の構造モデルにおいては、樹脂部とフープ層が一体で分離できないため、樹脂部の破壊が同時にフープ層の破壊とみなされ、破断荷重は実験値より大幅に小さい荷重で破断すると判定された。 2.ヘリカル層およびフープ層の破壊の2クライテリアを同時に扱った場合は、実験値に近い破断荷重が得られた。 3.今後の課題となるが、樹脂部の破壊には平成18年度の研究で行った予め亀裂を仮定する方法を使用し、同時にヘリカル層およびフープ層については本年度に行った破壊のクライテリアを設定することにより、より実際に近い破壊プロセスと破壊荷重が求まるであろうことがわかった。
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Research Products
(1 results)