2007 Fiscal Year Annual Research Report
衛星リモートセンシングを用いた海洋・湖沼の水質計測に関する研究
Project/Area Number |
19560813
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
青山 隆司 Fukui University of Technology, 工学部, 教授 (60350807)
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Keywords | リモートセンシング / 水質汚濁 / 衛星分光画像 / 湖沼の分光計測 / 赤潮発生予測 / 若狭湾 / 北潟湖 / 葉緑素 |
Research Abstract |
本研究は、懸濁物質(SS)が多い水域の水質情報を、衛星に搭載された分光放射計により得られる分光画像を用いて分離抽出する技術を開発することを主目的としている。研究対象水域として、現時点では、赤潮が時折発生する若狭湾と福井県北に位置する富栄養化の進んだ北潟湖を設定している。 若狭湾に発生する赤潮を監視しつつその発生時期および場所を予測することを目的に、海水中のクロロフィルa(Chl-a)濃度および表面海水温(SST)をパラメータとして赤潮発生条件を求めた。その結果、表面海水温には適温範囲が存在し、Chl-a濃度には下限値が存在することが明らかになった。このデータ処理に際して、(1)Chl-a濃度およびSSTはJAXA提供のMODISバイナリデータを使用したこと、(2)SSの多い海域でのChl-a濃度計測には不確定さが含まれるため、SS濃度を判定するためNDVI画像を参考にし、SSの多い海域はデータポイントとして採用しなかったこと、(3)赤潮の新たな判定法を開発したこと等の改良を加えた。その結果、データポイントとして採用した海域でChl-a濃度とSSTが赤潮発生条件内にある場合は、83%以上の確率で赤潮が発生することが判明し、確度の高い赤潮判定条件が得られた。 北潟湖の水質諸量を衛星分光画像を用いて計測する手法の開発に向けて、北潟湖水および湖底の泥を使った泥水の室内分光実験を行った。その結果、北潟湖水に含まれる物質の主成分は、泥(SS)と植物プランクトンを含む植物(葉緑素:Chl-a)であることが明らかになった。今後さらに詳細な分光計測実験を行い、多くの物質の混合体である湖水の成分を、衛星分光画像から分離抽出する手法を開発する。
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