2007 Fiscal Year Annual Research Report
光応答抽出法による無廃棄物型貴金属リサイクルプロセスの開発
Project/Area Number |
19560818
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹下 健二 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 准教授 (80282870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 幹也 産業技術総合研究所, 金属リサイクル研究グループ, グループ長 (20357437)
成田 弘一 産業技術総合研究所, 金属リサイクル研究グループ, 研究員 (60357689)
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Keywords | 光応答 / 溶媒抽出 / Cis-Trans転移 / アゾ化合物 / 貴金属リサイクル / ゼロエミッション / 構造認識 / 協同抽出 |
Research Abstract |
貴金属リサイクルシステムの構築には、システムの合理化による経済性の向上とともに資源保全・環境保全に対する考慮が必要であり、余剰な化学物質を使用することなくかつ高い貴金属リサイクル率を達成できる貴金属分離システムの研究開発が不可欠である。このために本研究では貴金属回収のための無廃棄物型化学システム「光応答型溶媒抽出システム」を構築する。本年度の研究成果は次の通りである。 (1)貴金属(Au、Pd)に対する高選択かつ高速抽出が可能な配位子の分子設計 SDA配位子としてN,N-dimethyldiphenyl-3,3-thiodipropionamide(TDPA)について検討した。高選択かつ高速に貴金属類(Au,Pd)を抽出することを確認した。また、硫黄ドナーと同様に貴金属を選択配位する窒素ドナー含有配位子についても検討した。2つのバイピリジン配位子(窒素ドナー配位子)をもつアゾ化合物BDPDAとハロカルボン酸(2-プロモオクタン酸)を用いた協同抽出系において、貴金属に対する高い光応答抽出能があることを見出した。 (2) SDA配位子を用いた光応答抽出剤(アゾ化合物)の合成と光応答性の確認 TDPAなどのSDA配位子をアゾカップリングした化合物(光応答抽出剤)の合成を試みたが、未だ成功してない。平成20年度も引き続きSDA配位子の合成を行い、光応答性を調べる。 (3)貴金属類(Au, Pd)の光応答抽出試験 2つのバイピリジン配位子をもつアゾ化合物BDPDAと協同抽出剤として2-プロモオクタン酸を用いた協同抽出系においてAu、 Pdの光応答抽出を試験し、UV光と可視光照射下で分配比の違いが10〜20倍に達し、更に窒素ドナーのプロトネーションのために従来抽出が困難であった高酸性領域でも有効な抽出容量が得られることがわかった。
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Research Products
(11 results)