2008 Fiscal Year Annual Research Report
ディプレッション凝集を利用した高度排水処理システム実現のための前処理技術の開発
Project/Area Number |
19560819
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
椿 淳一郎 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (50109295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 隆昌 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20345929)
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Keywords | 液中造粒 / 高分子電解質 / 濃縮層流動性 |
Research Abstract |
凝集剤は、沈降濃縮においては粒子の沈降速度を増し、ろ過においては微粒子による目詰まりを防ぐこととケークのろ過抵抗を下げることができるが、その一方で、ケークのろ過抵抗が下がるということは、ケークの含水率が高くなり、固液分離効率が低くなることを意味する。ケークの高い含水率は、ろ過に続く運搬・乾燥工程に大きな負荷、エネルギーをかけることにため、プロセスの省エネルギー化のためには、ケーク含水率を少しでも下げることが切望されている。また、近年では環境への関心の高まりから、回収した粒子の再資源化が望まれるプロセスがあるが、添加する凝集剤の成分が悪影響を及ぼすために再資源化が難しいということも見られる。 そこで高分子電解質のディプレッション効果を利用して、液中に分散した微粒子を全て塊状に凝集させる技術及びその指針を確立した。高分子電解質及び電解質無機塩を適量、被処理液に添加して撹拌することで、一次粒子を残すことなく、塊状凝集体を形成させることに成功した。高分子電解質もしくは価数の低い電解質無機塩を適量添加して、スラリーを撹拌することで、液中の一次粒子を残すことなく塊状に凝集させることが可能で、かつこのように調製したスラリーであれば濃縮後の堆積物の濃度がこれまでの凝集剤を加えた場合よりも高く、かつ濃縮物が流動性を保持していることがわかった。特に実際の排水処理等で問題となってくる懸濁物質が非常に希薄なサスペンションに対しても、効果的に塊状凝集体を形成させることができたため、今後実プロセスへの適用に向けて十分な可能性を示すことができたと思われる。
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