2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560820
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
安井 晋示 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (30371561)
|
Keywords | フロン類 / 再資源化 / フッ素 / 乾式 / 気固反応 / 炭酸カルシウム / 蛍石 / 炭酸水素ナトリウム |
Research Abstract |
オゾン層の破壊および地球温暖化の原因物質であるフロン類の多くは焼却処理され、その後の排ガスは湿式で中和処理されスラッジとして埋め立て処分されている。フッ素資源を海外に依存している我が国にとっては、フロン類からのフッ素の再資源化は温暖化防止と同様に重要な課題である。 我々は、フロン類を乾式で分解し再資源化する新たな技術を考案し、その技術開発を進めてきた。この技術の特徴は、フロン類を一旦高温で分解してフッ化水素(および塩化水素)とし、その排ガスを低温(約200℃)で固体吸収材と気固反応させることでフッ素を選択的に吸収させ、フッ素資源と成り得る純度のフッ化物を得るものである。本研究では、カルシウム系吸収材の種類、粒径、固定化温度に対する気固反応特性の解明と破過特性と調べ、以下の成果を得た。 1. 実用的なカルシウム吸収材として酸化カルシウムと炭酸カルシウムを選定し気固反応特性を調べた結果、各粒材の物理的な性状の違いにより反応特性が大きく異なり、酸化カルシウムの場合は全域反応モデル、炭酸カルシウムの場合は未反応核モデルの適用が妥当であることを解明した。 2. フッ素吸収率では、いずれの吸収材でも反応温度が高いほど吸収率は高くなったが、酸化カルシウムの場合は粒径に依存せず、最大でも80%程度に留まった。一方、炭酸カルシウムを用いた場合は、反応温度200℃と低い条件でも95%の吸収率となり、フッ素資源として再資源化できることを明らかにした。 3. 炭酸カルシウムによるフッ素の破過特性を調べた結果、冷媒用フロンとしてHFCを用いた場合はフッ素吸収容量の1.5倍程度の時間で高純度のホタル石に転換できることを確認した。一方、HCFCを用いた場合は、その分解ガス中にHFとともにHClが存在し、フッ素化反応速度がHFCよりも低下した。この理由として、HClとの反応により生成した塩化カルシウムがフッ化カルシウムに転換される反応が遅く、総括的なフッ素化反応速度が低下したものと考えられる。
|
Research Products
(6 results)