2007 Fiscal Year Annual Research Report
高温亜臨界・超臨界水酸化環境に適用可能な腐食モニタリング法の開発
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19560822
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| Research Institution | Osaka Prefecture University |
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Principal Investigator |
井上 博之 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 講師 (40203252)
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| Keywords | 高温亜臨界水酸化 / SCWO / 電気化学ノイズ / 腐食モニタリング / 電位ノイズ |
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| Research Abstract |
高温亜臨界ならびに超臨界水酸化(SCWO)法は、PCBや特定フロンなどの塩化物イオンを含む有害有機物質を、安全に無害化できるプロセスとして期待されている。しかし分解物生成物の塩酸は、SCWOの高温高圧下では、金属材料に対して腐食性が高い。このため、SCWO環境において、装置材料の腐食状態を連続的に監視する技術(腐食モニタリング法)の開発が切望されている。本研究では、新しい腐食モニタリング法として実用化が進められている電位ノイズ法に注目し、そのSCWO環境への適応性を検討した。本年度は、高温亜臨界水酸化環境での腐食モニタリングへの電位ノイズ法の適用性の検討をおこなった。その結果、350℃までの酸化性塩酸水溶液中において、電位ノイズの波形から、試験片上での顕著な全面腐食や局部腐食の発生・進展を検出することができた。
試験片には、SCWOの装置材料に多用されている、C-276ニッケル基合金ならびに304ステンレス鋼を用いた。100ppmH_2O_2を添加した1.04×10^<-3>molm^<-3>の塩酸中で、C-276合金の電位ノイズ波形を120℃から350℃の温度範囲、24MPaの圧力下で測定した。その結果、210℃から240℃ではランダム型ノイズ波形が、270℃から330℃ではRD型の波形が、それぞれ観測された。電気化学的には、前者の波形は全面腐食を、後者は局部腐食の発生を示唆する。実際、240℃の溶液中に、長時間試験片を浸漬し、試験後の表面を観察したところ、顕著な全面腐食が生じていた。一方、300℃で浸漬した試験片には、孔食や粒界腐食の痕跡が認められた。酸素ガスを飽和させた1.04×10^<-3>3molm^<-3>の塩酸中での304ステンレス鋼も、ノイズ発生の温度域は異なるものの、ニッケル基合金と同じく、電位ノイズの波形から推定される腐食形態と、浸漬試験後の表面形態とは良い一致を示した。
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