2008 Fiscal Year Annual Research Report
焼酎蒸留粕を用いる医薬品・機能性食品および化粧品の開発に向けた基礎研究
Project/Area Number |
19560823
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
田上 修 Sojo University, 生物生命学部, 助教 (10343716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 龍一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (70099076)
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Keywords | 再生利用 / 癌 / 生理活性 / バイオマス |
Research Abstract |
1. 各種焼酎粕パウダーに含まれる有機酸は、とくに黒米焼酎粕パウダーが最も含有量が高く、なかでもクエン酸に特徴的な機能性を有する可能性が示唆された。また、アミノ酸含有量は、グルタミン酸、アルギニン、アスパラギン酸が多く含まれおり、それらを含有するタンパク質の存在が示唆された。 2. 麦焼酎粕パウダーのゲル濾過クロマトグラフィーを用いた分取による分離、精製を試みた結果、分子量22000以下のタンパク質、オリゴペプチド、多糖類が含まれている可能性が示唆された。また、その分取成分のヒト肝臓がん(Huh-7)細胞に対する増殖抑制効果について検討した結果、麦焼酎粕パウダー使用時とほぼ同等もしくはやや高い抑制効果が確認され、抗腫瘍成分を多く含んでいることが示唆された。 3. 麦焼酎粕パウダーのB16-FOメラノーマ(悪性黒色腫)細胞への添加により、細胞の白色化が目視にて確認されるとともに、顕著なメラニン産生抑制効果および濃度依存的なチロシナーゼ活性抑制効果が確認され、美白効果が示唆された。 4. 正常マウスに対する各焼酎粕パウダーの投与時の免疫賦活効果について検討した結果、麦焼酎粕パウダーを投与した場合のマウスの脾臓細胞の細胞傷害活性能を向上させる傾向が認められ、また、マウス血清中のIFN-γ濃度について、芋焼酎粕パウダーの投与時に、他の焼酎粕パウダー投与時よりも高いIFN-γ産生能を示すことが明らかとなり、焼酎粕パウダーの医用素材への転換が期待される。
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