2007 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉システム用トリチウム低吸着・低溶解材料の探索
Project/Area Number |
19560826
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松山 政夫 University of Toyama, 水素同位体科学研究センター, 教授 (90135004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥養 裕二 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 准教授 (80313592)
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Keywords | 核融合炉材料 / トリチウム / 吸着量 / 溶解量 / Cu-Be合金 |
Research Abstract |
核融合炉では大量のトリチウム及び重水素が燃料として使用されるが、これらは何れも常温で気体であり散逸性が高く、広い酸素濃度範囲で僅かな火源により爆発的燃焼を起こす。この様な性質に加えて、トリチウムはβ線を放出するという特異性があり、天然には殆ど存在しないため、安全閉じ込めと同時に燃料として有効利用するための技術的検討が必要不可欠である。核融合炉内への燃料供給はトリチウムプラントが担うが、プラントから炉内に供給されたトリチウムは回収-精製-分離-貯蔵過程を経て再び供給プロセスに戻される。即ち、核融合炉の運転と同時に炉内及びプラントの燃料配管内をトリチウムが循環する。従って、トリチウムは各種の金属及び非金属材料の表面と接触し、それぞれの材料表面の物理的・化学的性質に応じた吸着・溶解現象によって利用不可能な状態になる。従って、トリチウムの吸着量・溶解量を根本的に低減し、トリチウムプラント等で実際的に使用可能な材料の開発指針の構築を目途とし、本研究では試験材料表面の物理的・化学的状態及び組成分析と共にトリチウムの吸着量・溶解量の測定データの蓄積・評価を行った。試験材料としてはCu・Be合金を評価対象として選定し、購入材料を所定のサイズに切断したのち、0.1μm以下の表面粗さにまで研磨して所定条件の下でトリチウムガスに曝露した。この様に処理された材料内に溶解したトリチウム量及び分布状況を調べた。その結果、表面から0.2μmまでの表面層はトリチウム濃度が内部の約1000倍以上となっているにも拘らず、内部はほぼ均一な濃度となっていた。また、この際の濃度はステンレス系材料と比較すると約200倍以上低いことが知られ、本材料がトリチウムの低溶解材料として有望であることが知られた。
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Research Products
(1 results)