2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルフェン波による帯状流モードの発生機構と非線形ダイナミックス
Project/Area Number |
19560828
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
李 継全 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 准教授 (00437253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 泰明 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10344441)
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Keywords | プラズマ閉込め / 安定性と乱流 / 帯状流モード / 乱流輸送 / アルフェン波 / ジャイロ流体モデル / 簡約化MHDモデル / シミュレション |
Research Abstract |
新しく開発したローカルおよびグローバルなジャイロ流体モデルに基づくシミュレーションコードを用いて、トカマクプラズマにおけるGAMモードの半径方向構造とともに、その非線形励起や飽和の物理機構に関する研究を進めた。また、帯状流の無衝突減衰の効果を取り入れたイオン温度勾配(ITG)モード乱流とそれに伴うイオン系の輸送解析を行うため、従来の3場方程式によるジャイロ流体モデルに対する半経験的なクロジャーに対する理論モデルを提案した。このモデルは理論的な予測値や他の運動論に基づく計算結果などともベンチマークを行い、比較されている。また、wave-let法をジャイロ流体シミュレーションから得られたデータに適用することにより、トロイダル配位において、乱流輸送に重要な役割を果たすGAMは、ITG揺動のReynolds応力に起因する非線形駆動と線形ランダウ減衰やイオン音波との結合の間の競合によって非線形的に励起されることが明らかになった。また、このGAM不安定性が励起される乱流の閾値は帯状流のそれよりも高いことが判明した。一方、不安定なGAMは、静的な帯状流とは異なり、プラズマが内在的に有するランダウ減衰によって飽和するとともに、イオン音波はITG乱流においては減衰する揺動であることも分かった。さらに、GAMの半径方向の構造は、静的な帯状流よりも短波長であることも分かった。 さらに、ジャイロ流体シミュレーションに基づいて、磁場閉じ込めプラズマにおけるマクロスケールのMHD揺動とイオンスケールの乱流の非線形相互作用の研究を進展させた。そのような複雑な非線形相互作用の背後にある物理機構を調べるため、抵抗性内部キンクモード(RKTM)とITGモードが共存したスラブ配位の5場によるジャイロ流体シミュレーションを実施した。このシミュレーションによる不安定性解析の結果、イオン温度勾配とプラズマ抵抗を適切に選択することによりITGモードとRKTMが共存して励起されることが分かった。また、両者の非線形結合の結果、RKTMとITGモードは共に成長率が加速される一方、その際生成される帯状流は、両者が混在した多スケールの定常乱流状態では、振動特性を有することが新たに判明した。
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