2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルフェン波による帯状流モードの発生機構と非線形ダイナミックス
Project/Area Number |
19560828
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
李 継全 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (00437253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 泰明 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10344441)
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Keywords | プラズマ閉込め / 安定性と乱流 / 帯状流モード / 乱流輸送 / アルフェン波 / ジャイロ流体モデル / 簡約化MHDモデル / シミュレション |
Research Abstract |
2010年度はまず、静電揺動と電磁揺動が混在した系にどのような運動エネルギーと電磁エネルギーの交換チャンネルが存在するかを解明することを目的に、巨視的な抵抗性MHDモードと静電的なイオンスケール乱流の非線形相互作用を、5場のジャイロ流体シミュレーションによって解析した。その結果、微視的乱流の運動エネルギーはクロススケールダイナモの励起を通じて電磁的揺動のエネルギーに変換され、新たな電磁的トルクとして働くことが分かった。また磁気島は、多階層間の相互作用によってもたらされたこの上下振動に反応し、帯状流もまた振動成分として振る舞うことが示された。さらに、その物理機構を解明するために、簡約化された2場の方程式による解析を行った。これは、従来の異常抵抗性理論が、十分な物理的根拠を持ったクロススケールダイナモ理論によって説明される可能性を示唆しており、この点については今後検討する予定である。 次に、電磁的なMHD揺動と微視的静電ITG乱流間の非線形相互作用が引き起こす磁場凍結の破れ、即ちジャイロ流体シミュレーションにおけるイオン温度の島構造の崩壊に関する解析を行った。その結果、短波長な磁気島構造によって誘起される新しいITG不安定が確認された。一方で、非線形領域におけるイオン温度の島構造の崩壊メカニズムは、磁場に垂直方向と平行方向の輸送のバランスによって説明され、磁場に平行方向の熱輸送に関する効果を考慮したケースとそうでないケースを比較することで立証された。また、間欠的なイオンの熱輸送の特性は、多階層にわたる乱流によって説明されることも示された。 さらに、帯状圧力、または有理面と乱流の非線形相互作用によって形成される圧力揺動が微視的なITG乱流にどのような影響を与えるかを、シミュレーションによって解析した。一方、圧力揺動の波数が小さい場合は、圧力分布の局所的な平坦化(急峻化)によって、安定化(不安定化)に働くことが明らかになった。また、非線形領域におけるイオンの熱輸送の新たな間欠性がシミュレーションで確認された。この原因を明らかにするために、帯状流の効果をスペクトル解析によって調べた。
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[Presentation] 乱流輸送における分布緩和とエントロピーダイナミックス2010
Author(s)
Y.Kishimoto, K.Imadera, S.Miyata, P.Hilscher, Jiquan Li
Organizer
2010 Autumn annual conference of the Physical Society of Japan(JPS)
Place of Presentation
Osaka, Japan
Year and Date
20100923-20100926