2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射光及び回折X線出力のエネルギー評価のためのOSL線量計フィルター開発
Project/Area Number |
19560839
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
越田 吉郎 Kanazawa University, 保健学系, 教授 (90020023)
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Keywords | OSL線量計 / フィルター / エネルギー評価 / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
近年,X線乳房撮影の増加により,低エネルギーX線による被ばくも増加することが考えられ,それに伴い低エネルギーモニター用OSL線量計の需要も高まると考えられる.低エネルギーモニター用OSL線量計は,単一光子の照射によって得られた,エネルギー推定算出式によりエネルギーを算出している.しかし,実際に乳房撮影装置から照射されるX線は連続エネルギーであり,性質の違いにより誤差が出ることが考えられる.前年までの実験により,実際に単一光子で求めたエネルギー推定算出式で連続エネルギーX線の実効エネルギーを求めると,誤差が生じることがわかった.モンテカルロシミュレーションを用い,OSL線量計には,アルミニウム,プラスチック、銅の各フィルターおよびオープンウィンドウ(OW)を有する,InLight Badgeを想定し,単一光子,連続スペクトルの照射した.連続スペクトルはBooneの式により求めた.基本特性の確認で研究補助をしてもらったモンテカルロシミュレーションには,高エネルギー加速器研究機構から提供されているEGS4コードを用いておこなった.シミュレーションで発生させた光子は10^6個以上で,これにより標準偏差を±10%以下にした. アルミニウムフィルターの厚さを厚くすると誤差の平均が小さくなり,エネルギー推定算出式の精度が良くなった.アルミニウムフィルターの厚さを厚くしても,単一光子で求めたエネルギー推定算出式で,連続エネルギーの実効エネルギーを評価すると値が低く評価された.シミュレーションでアルミニウムの厚さを厚くすると,エネルギー推定算出式の精度が良くなったがその厚さは1mmから2mmの範囲であることがわかった.この結果は単一光子の発生機によって確認することが必要である.結果の報告は関連学会で計3回行った。
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