2008 Fiscal Year Annual Research Report
数個のシンチレーターからなるリアルタイム型全方向γ線源探査機の開発
Project/Area Number |
19560840
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
玉川 洋一 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 准教授 (40236732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 章二郎 福井大学, 高エネルギー加速器研究機構, 名誉教授 (20044753)
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Keywords | ガンマ線 / シンチレーター / コンプトン散乱 |
Research Abstract |
コンプトンスコープの開発を進めるために,装置の高効率化・小型化・リアルタイム処理に関する検討を,連携研究者小林正明氏(高エネルギー加速器研究機構・名誉教授)とともに行った. 1. モンテカルロシミュレーション(GEANT4)により,これまでの結晶組み合わせであるPlastic-NaI(Tl)に比べNaI(Tl)-NaI(Tl)の組み合わせのほうが1.9倍の効率向上が見込まれることが判明した. 2. NaI(Tl)-NaI(Tl)の結晶組み合わせ時のバックグラウンドイベントを低減させるために,双方の信号発生時間を精密に測定することで,ガンマ線のコンプトンイベントの方向性を同定可能であり,バックグラウンドとして捨てることなく有効に検出対象イベントとして採用可能であることを実験的に確かめた.この時の検出効率は1.7倍(シミュレーションでは1.9倍)となった. 3. 角度分解能を向上するための試みとして,散乱体でのイベント発生位置を同定するために,16chマルチアノードPMTでの読み出しを試み,2cm角でのプラスチックシンチレーターにおいてイベント発生位置を1cm以内で同定することが可能となった.また,その際のシンチレーターの反射材についても検討を行った. 4. リアルタイム読み出しに対応するため,FADCによるデータ収集を試み,データ収集と同時に各シンチレーターでのエネルギー損失を算出して散乱角導出が可能となった.
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Research Products
(8 results)