2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Study of Systematic Behavior for Neutron-, Proton- and Photon-induced Fission Cross Sections at Intermediate Energy Region
Project/Area Number |
19560846
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
FUKAHORI Tokio Japan Atomic Energy Agency, 原子力基礎工学研究部門, 研究主席 (50354783)
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Project Period (FY) |
2007 – 2010
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Keywords | 炉物理・核データ / 解析・評価 / 核分裂 / 断面積 / 中高エネルギー / 中性子 / 陽子 / 光子 / 系統式 |
Research Abstract |
中高エネルギー領域における核分裂断面積は、加速器駆動型未臨界炉システム(ADS)を用いた核燃料廃棄物核変換処理の研究・開発に重要な物理量である。しかし、多くの核物理モデルでの予測精度にはまだ問題が多い。中高エネルギー領域における核分裂断面積測定には、陽子入射核分裂反応については、質量数領域の広い範囲にわたる多くの実験データが存在する。実験データ間のばらつきの大きな核種が存在するが、大部分の核種については、概して同様の傾向を持つと言える。一方、中性子入射核分裂反応の実験データは陽子に比べて非常に少ない。近年、ADSへの応用を視野に入れて、米国のロスアラモス国立研究所(LANL)やロシアのペテルスブルグ核物理研究所(PNPI)において、中高エネルギー中性子による核分裂断面積の測定が行われている。また、U-235,238に対する光子入射核分裂断面積は保障措置との関連で比較的豊富であるが、他の測定は殆ど見当たらない。これは、光吸収断面積が、巨大共鳴領域においても核子入射の場合と比べて1-2桁小さいことにより、光子入射核分裂断面積が小さいことに起因すると思われる。さらに、中高エネルギー領域では、アクチニド核種以外でも、鉛やビスマス等に核分裂断面積の実験データが存在する。 これら実験データを俯瞰すると、中高エネルギー領域においては、核分裂断面積比(全反応断面積と核分裂断面積の比)の励起エネルギー依存性の比較から次のような傾向を読み取ることができる。 ・広い質量領域で核分裂断面積比の励起エネルギー依存性が類似している。 ・励起エネルギーが大きくなると核分裂断面積比が一定になる傾向があり、質量数の大きなものほど一定領域の値が大きい。 ・しきいエネルギーのようなものが見られ、これは質量数の大きいものほど低い傾向がある。 これらから、核分裂断面積比と励起エネルギーという標識を設定すると、同様の傾向が中性子、陽子や光子入射に共通して見ることができる。 本研究では、中高エネルギー領域における中性子、陽子及び光子入射核分裂断面積の全反応断面積に対する比を最初の複合核の励起エネルギーの関数として表す系統式を提案する。この系統式により、20MeVから1GeV程度までの中高エネルギー領域において、中性子、陽子及び光子入射核分裂断面積を統一的に10-20%程度の予測精度で記述することを目的としている。このため、大まかに次の手順で本研究を進める。 a 実験データの調査、データベース作成 b 系統式の開発 c 系統式に基づくプログラム開発 d 実験データに基づく(3)のプラグラムの比較・検証 e シミュレーションコードへの系統式の組み込み f eによるシミュレーション結果の検証(他の方法との比較を含む) g 成果発表
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Research Products
(2 results)