2007 Fiscal Year Annual Research Report
不均一架橋構造を有するイオンバリヤー性積層荷電膜を用いた浸透圧発電システムの開発
Project/Area Number |
19560849
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
比嘉 充 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30241251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 宣隆 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40314819)
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Keywords | 構造・機能性材料 / 新工ネルギー / 水資源 / 環境技術 |
Research Abstract |
本年度はポリビニルアルコール(PVA)とアクリルアミドー2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)を共重合組成として有する変性PVAのブレンド溶液から負荷電膜、PVAとポリアリルアミンのブレンド溶液から正荷電膜を作製した。このブレンド溶液の高分子電解質組成や、製膜後の架橋条件を変えることでこの正、負荷電膜のイオン交換容量と含水率を制御した。そしてこれらの膜の作製条件と対イオン選択性、膜抵抗、機械的強度との関係を検討した。その結果、PVAをマトリクスとして有する負荷電膜、正荷電膜は市販のスチレン-ジビニルベンゼン系の陽イオン交換膜、陰イオン交換膜とほぼ同等な対イオン選択性、膜抵抗を有することが判明した。このPVA系荷電膜は市販イオン交換膜と比較して非常に高い機械的強度を有することから、薄膜化が可能であり、さらに低膜抵抗を有する荷電膜の作製が期待出来る。 次に作製した正荷電膜(P膜)、負荷電膜(N膜)は互いにPVAをマトリクスとしているため、PVA溶液をバインダーとして接合することが可能である。そこで作製したP膜、N膜を接合することでNPN荷電膜を作製した。そしてこのNPN荷電膜を挟んだ2つのセルの片側に種々の電解質や中性溶質であるスクロース溶液を入れ、反対側にイオン交換水を入れた拡散透析系におけるスクロースや電解質の透過性を評価した。その結果この膜は中性溶質よりも電解質の透過係数が非常に低い値を示した。特にCaCl_2やNa_2SO_4などの多価イオンを有する電解質の透過性が著しく低くなった。このことよりこのNPN荷電膜は高いイオンバリヤー性を有することが判明した。
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