2008 Fiscal Year Annual Research Report
不均一架橋構造を有するイオンバリヤー性積層荷電膜を用いた浸透圧発電システムの開発
Project/Area Number |
19560849
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
比嘉 充 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30241251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 宣隆 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40314819)
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Keywords | 構造・機能性材料 / 新エネルギー / 水資源 / 環境技術 |
Research Abstract |
本研究では親水性高分子のポリビニルアルコール(PVA)をベースにして高い水流束と高い耐ファウリング性を有する浸透圧発電用モノリシックNPN積層荷電構造膜の開発を行うために、ビニルアルコール基が主鎖であり種々の荷電基種を共重合組成として有する高分子アニオンを得た。そしてこのポリマーとPVAおよびポリアリルアミン(PAAm)のブレンド水溶液を多孔質膜の支持材上にコーティングして交互積層を形成後、架橋することでモノリシックNPN積層荷電構造平膜を作製した。作製したNPN積層荷電構造平膜の含水率を測定し、市販の引張試験機を用いて機械的強度を測定した。また自作の測定セルを用いて膜電位を測定することでこれらの膜の対イオン選択性を評価した。さらに自作の毛細管付セルを用いて水透過係数を評価した。膜の耐有機汚染(ファウリング)性はモデル汚染物質としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を使用して評価した。これらの実験より以下のことが示された。本研究で作製したN層膜およびP層膜はそれぞれ市販陽イオン交換膜および陰イオン交換膜と同等以上の機械的強度(引張強度:30MPa以上、ヤング率:600MPa以上)を示した。またこれらの膜の対イオン選択透過性は市販イオン交換膜と同程度(動的輸率0.96以上)であり、また低い膜抵抗(2〜10Ω/cm2)が得られた。これらの結果より、作製した膜がイオン交換膜として高い性能を有していることが判明した。またこれらのP層、N層膜を積層したNPN積層荷電構造平膜はPVA膜と比較して2倍以上高い水透過性と3倍以上高いイオンバリヤー性を示した。さらに市販イオン交換膜と比較して2倍以上高い耐ファウリング性を有することが示された。
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Research Products
(19 results)