2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ直接メタノール形燃料電池の有害排出物軽減と性能劣化軽減研究
Project/Area Number |
19560851
|
Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 靖雄 Musashi Institute of Technology, 工学部, 教授 (90339531)
|
Keywords | 燃料電池 / 電子デバイス・機器 / マイクロ・ナノデバイス / 有害化学物質 / メタノール / ホルムアルデヒド |
Research Abstract |
1.研究の意義と目的:エネルギー利用効率が高くかつ再生可能燃料の使用が可能な直接メタノール形燃料電池(DMFC)は,他の二次電池よりエネルギー密度が高いことからマイクロ燃料電池として携帯電話やパーソナルコンピュータなど小型携帯機器の電源として開発が進められている.しかしながら,人体に接触した状態でまたは身近で使用するため,燃料であるメタノールや関連物質の排出に関しては細心の注意が必要である.本研究では,システムの構成が簡単である自然給気式DMFCのオフガス中のメタノールなどの有害排出物の排出特性を解明し,かつ軽減手法を見出した. 2.研究成果の概要: (1)排出特性:パーフルオロスルフォン酸系電解質を用いた場合,作動中の自然給気式DMFCのオフガス中から労働環境基準濃度である200ppm以上のメタノールが検出された,さらにホルムアルデヒドも検出された.また,電池を非作動で放置した場合も同様に両物質が排出されることもわかった,これは,クロスリークしたメタノールの酸化に必要な量の空気が供給されていることから,電極触媒における空気の利用が不十分であるためである. (2)軽減手法:供給空気の流路により近い位置であるGDL(ガス拡散層)の外側に新たな白金を主体とする触媒層を設けることにより,作動中・非作動放置中いずれの場合でもメタノールとホルムアルデヒドの排出を皆無にすることができた.この効果は,電極触媒の白金量増加より,またGDLに白金触媒を担持させた場合より大きいことも確認した.メタノールクロスオーバーの低いハイドロカーボン系電解質電解質膜を用いることによって両物質の排出を軽減できることも明らかにしたが,ゼロにはならなかった.
|
Research Products
(1 results)