2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタンナノ結晶化ガラスの透明光触媒材料への展開
Project/Area Number |
19569001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正井 博和 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (10451543)
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Keywords | 結晶化ガラス / 酸化チタン / ガラス |
Research Abstract |
本研究の目的は、酸化チタンナノ結晶化ガラスを用いた透明光触媒材料への応用展開であり、その展開に向けた基礎物性の調査を主な目的としている。平成19年度では、透明結晶化ガラスの組成最適化を目指し、特に、結晶化前の前駆体ガラスの透明性に注目して研究をおこなった。その結果、ガラス組成が非常に限定的で狭く、酸化ビスマスや酸化ホウ素等構成成分の量を大きく変化させることができないことを見出した。この結果を基に、酸化チタンを選択的に結晶化できる組成範囲の中で、添加物を変化させてガラスの透明性の検討をおこなった結果、酸化スズを添加物として少量添加することによって、前駆体ガラスの可視光領域の透明性を大幅に向上させることに成功した。得られたガラスを熱処理することにより、酸化スズを添加しない試料と同様に、選択的なナノサイズの酸化チタンの結晶化が確認できた。 得られた成果は、ガラスの結晶化挙動とガラスの透明性を独立に制御することが可能であることを示したものであるといえる。よって、透明性を有する酸化チタン結晶化ガラスを光触媒材料として展開する上で非常に重要な知見である。更に、申請者は、酸化スズの添加により光触媒機能が向上することも見出した。詳細なメカニズムは現在のところ明らかではないが、酸化スズの添加が、母ガラスの透明性だけではなく、結晶化ガラスの光触媒能にも効果があるというこの発見は、結晶化ガラスの物性としてだけではなく、光触媒作用の観点からも、非常に興味深いものであり、雑誌:アプライドフィジックスレターズ92巻に掲載された。
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Research Products
(5 results)