2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタンナノ結晶化ガラスの透明光触媒材料への展開
Project/Area Number |
19569001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正井 博和 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (10451543)
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Keywords | 酸化チタン / 結晶化ガラス / 光触媒 |
Research Abstract |
平成20年度においては、酸化チタンが析出可能なガラス組成の透明性を向上させる目的で研究をおこなった。酸化チタンをガラス中から選択的に析出させた研究は本研究が世界で初めてであり、革新性が高い。これまで得られている酸化チタンを析出可能なガラス系は、酸化ビスマスを含有するため、赤色を呈し、透明性の点で改善する必要があった。また、母ガラスに比べて屈折率の高い酸化チタンがガラス全体から析出するため、結晶化後に得られる結晶化ガラスの透明性が低いという問題があった。以上の問題を鑑みて、本研究は主に透明性を向上させる目的で研究をおこなった。本年度の主な成果としては、以下の3点が挙げられる。1)酸化スズを出発原料として用いることで、従来の母ガラスに比べて可視光領域の透明性を飛躍的に向上させることに成功した。2)酸化銅を添加したガラスに対して赤外線加熱処理をおこなうことで、銅元素の非輻射緩和による発熱を利用し、ガラス試料表面付近に結晶を析出させることに成功した。結果として、酸化チタン結晶化ガラスの透明性の向上を達成した。3)環境負荷の高い酸化ビスマスを含まないガラス組成を探索し、母ガラスと結晶化ガラスの透明性を向上できる指針を確立した。これらの成果は、本研究の目的である透明光触媒材料への展開には必須の要素であり、1年以内に達成できていることは特筆すべきことである。本研究に関する発表としては、特許出願、論文発表を始め、多数の学会で発表をおこなっている。
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Research Products
(14 results)