2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際的流通・移転性を目指した運輸多目的衛星からの環境・災害情報基盤処理技術の確立
Project/Area Number |
19569002
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 渉 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 講師 (50451878)
|
Keywords | 精密幾何補正 / 大規模森林火災 / 大規模洪水 / マイクロ波放射計 / データフュージョン |
Research Abstract |
平成19年度の前半は, 放射量補正, 幾何補正, 地図投影といった低次補正技術の開発を行った. そのうち, 特に精密な処理が求められる幾何補正について重点的に高精度化を進めた. 過去のひまわり用に開発された高精度地上検証点データベースを援用し, 昼間の可視赤外観測データにテンプレートマッチングを適用した結果, 1画素以内の制度を確保することに成功した. 一連の処理はgmsgeoとしてソフトウェアパッケージ化し公開している. 既に運用されているMTSATデータ公開システムによるデータ提供は, 200万シーンを突破した. 平成19年度の後半は, 大規模火災と洪水情報の抽出といった高次技術の開発を行った. 極東シベリアとインドネシアで起こった大規模火災を対象に, 火災延焼時間推定手法の開発を行った. より空間解像度の高いASTERとMODISデータから得られた結果を相互検討した結果, MTSATの空間解像度の1/10に相当する1.6km2程度の規模を持つ火災であれば検出できることが明らかとなった. また, 火災画素とそれ以外の画素を目視によって区分することにより, 火災延焼時間が1時間単位で抽出できることが明らかとなった. これら大規模発生後72時間の火災監視データベースは自動的に構築されWWWを通じて公開されている. MTSATの観測範囲であるインド以東の南アジア, 東南アジア, 東アジア地域を対象に, 大規模洪水情報の抽出を試みた. 洪水発生後72時間の洪水監視データベースを構築し解析を行ったが, 大規模洪水は雨期に多発するため雲が阻害要因となり, MTSAT可視赤外画像を用いた洪水情報の抽出は, 非常に難しいことが明らかとなった. そこで, MTSATと同様に準実時間で無料利用可能, 雲があっても全天候型観測可能な, マイクロ波放射計Aqua/AMSR-Eによる大規模洪水抽出手法を開発し, MTSAT画像と共にデータベースに格納してWWWを通じて公開を開始した.
|