Research Abstract |
平成21年度の前半は,国内外の協力機関への技術移転・実利用を開始した.具体的には,平成20年度に引き続き,高知大学,鹿児島大学,ラオス科学技術環境省,モンゴル自然環境省,ベトナム科学院,国立シンガポール大学へのデータ配信と実利用を開始した.高知大学においては,従来より運用されているGMSの資産に対して新たなデータベースが加わったことでデータ供給の継続性が確保された.ラオスとベトナムにおいては,平成19年度に開発した森林火災と洪水情報を配信するソフトウェアの移転を行い,同時にキャパシティビルディングの一環としてシステム利用に関するトレーニングを実施した. 平成21年度の後半は,国内外の協力機関への技術移転・実利用を確立した.具体的には,国内外の協力機関へ基盤技術の移転・利用の本格運用を目指して最終調整を行った.昨年度の試験運用中に寄せられた要求事項のうち,森林火災については,MODISからの情報を主に使用するとともに,火災跡の植生の回復度合いを調べるために,航空館分解能のデータであるALOS AVNIR2, Landsat ETM, SPOT HRGを組み合わせて解析できるシステムを構築した.具体的には,衛星データセット,GRASSを用いた一群のソフトウェア,トレーニングパッケージから成り立っており,キャパシティビルディングの一環として昨年度に引き続き実施した.これにより,異なる特性を持つ複数の衛星データを効果的に組み合わせることにより,特に農業・森林分野において環境・災害情報基盤処理技術が確立した. 今後はこれらの活動を継続的に実施することを予定している.具体的には,今回カウンターパートとなったベトナムとラオスにおいてはREDD案件の形成,新たなカウンターパートとして,我が国からの研究実績の少ないミャンマーに着目して,新たな案件形成が始まる予定となっている.
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