2007 Fiscal Year Annual Research Report
軟磁性ナノピラーを有するパターンドメディア開発のための磁気記録シミュレーション
Project/Area Number |
19569005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 輝光 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 助教 (20423387)
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Keywords | 磁気記録 / パターンドメディア |
Research Abstract |
現在のHDD研究で目標とされている1Tbits/inch^2超の高密度化には、従来の連続膜やグラニュラー膜とは異なるタイプの記録媒体が必要であると考えられており、記録層となる硬磁性の粒子を規則的に配置したパターンドメディアが今後の超高密度記録媒体として有力視されている。本研究では、硬磁性体だけでなく、軟磁性裏打ち層もパターン化したパターンドメディアを提案している。平成19年度の実施項目は(1)硬/軟磁性複合ナノピラーの磁化状態の計算、(2)信号の記録に必要となる超高密度記録ヘッドの設計である。 硬/軟磁性複合ナノピラーの磁化状態の計算では、熱安定性に優れた高い異方性磁界を有する硬磁性の磁化反転磁界を大幅に低減でき、現状の記録ヘッドでも信号の記録が可能な程度に硬磁性部の磁化反転磁界をチューニングできることをマイクロマグネティックシミュレーションにより示した。この磁化反転磁界の低減は、硬磁性体と軟磁性ピラーとの間の交換相互作用磁界に依存して大きくなり、交換相互作用が大きい場合には、硬磁性体の磁化反転磁界は軟磁性ピラーの磁化反転磁界(3500Oe程度)と同程度になることがわかった。また、硬磁性部の磁化反転磁界を低減するには、軟磁性ピラーの長さは25nm程度あれば十分であることを示した。 信号の記録に必要となる超高密度記録ヘッドの設計では、軟磁性裏打ち層もパターン化したパターンドメディアでは、軟磁性体が離散的に分布しているため、開磁路構造となり、ヘッド磁界の大幅な減少が懸念されるが、リターンヨークが主磁極側に張り出す構造の単磁極ヘッドとすることで、ヘッド磁界強度を連続軟磁性膜の場合の8割程度を確保できることを示した。
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