2008 Fiscal Year Annual Research Report
軟磁性ナノピラーを有するパターンドメディア開発のための磁気記録シミュレーション
Project/Area Number |
19569005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 輝光 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (20423387)
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Keywords | 磁気記録 / パターンドメディア / マイクロマグネティックシミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、軟磁性ナノピラーを有するパターンドメディアの1Tbits/inch^2という面記録密度達成の可能性についてマイクロマグネティックシミュレーションおよび有限要素法を用いて検討した。 1、マイクロマグネティックシミュレーションによって、硬/軟磁性複合ピラー規則配列媒体における磁化反転の挙動を計算した結果、本媒体は軟磁性部の磁化が硬磁性部の磁化反転を促すことが明らかとなった。これにより、軟磁性部の長さは25mm以上、硬/軟磁性部問の交換定数は5×10^<-7>erg/cm程度あれば、熱安定性に優れた結晶磁気異方性の高い硬磁性材料を用いた場合でも、小さな記録磁界で飽和記録可能であることがわかった。また、面記録密度1Tbits/inch^2以上に相当するピラーサイズでは、本媒体の軟磁性部ではボルテックス磁化構造を持たないことが明らかとなり、磁壁の移動によるノイズが低減できることがわかった。 2、有限要素法を用いてヘッド記録磁界の計算を行うことにより、本媒体を用いた場合においてもヘッド磁界強度は、単磁極ヘッドの主磁極とトレーリングリターンヨーク間のギャップを50nm以下にすることで、連続軟磁性裏打ち層を有する記録媒体の8割程度を確保できることを示した。 3、本媒体の記録磁化状態をLLG方程式に基づくマイクロマグネティックスにより計算した結果、明瞭な記録パターンを確認し、少なくとも1Tbits/inch^2の高密度記録が可能であることを示した。 以上の結果より、本媒体の特徴を定量的に解明し、1Tbits/inch^2に相当する高密度記録が可能であることを示した。
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