Research Abstract |
1.1種のrRNAオペロンを持つ欠失変異株の構築とそれらの増殖・細胞分化への影響 現在までに単一のrRNA(rrn)オペロシを持つ7種の変異株,rrnO+,A+,I+,D+,E+,B+.を作製して,それらの増殖速度・胞子形成率・形質転換能について調べた。その結果,細胞の増殖速度の低下が見られ,その低下の度合いは生産されるリボソームの量に比例していた。このことは,細胞で生産されるリボソームの量はrRNAオペロンから合成されるrRNAの量に支配されていることを示している。また,これらの単一rRNAオペロン保有株の胞子形成率も野生株の1万分の1以下であり,正常な細胞増殖と細胞分化には複数個以上のrRNAオペロンが必須であることが明らかになった。 2.各rrnオペロンから薬剤耐性突然変異体,増殖もしくは胞子形成に影響を与える突然変異体の単離とそれらの変異をサプレスする変里体の解析 1種類のrRNAオペロンを持つ変異株から自然突然変異により,エリスロマイシン(Em),ストレプトマイシシ(Sm),スペクチノマイシン(Spc)に耐性を示す多数の変異体を単離した。これらの変異部位を各変異体より抽出した染色体DNAを用いた形質転換法により調べたところ,すべての変異部位がrRNA遺伝子内にマッブされた。さらにそれらの変異の塩基配列を決定したところ,得られた変異のほとんどはかつてに報告された部位に一致していたが,新規な変異も見出された。 増殖もしくは胞子形成に関するrRNA遺伝子内の変異対の単離に関する実験は本年度は行っていないので,ぜひ来年度に実施したいと考えている。
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