2007 Fiscal Year Annual Research Report
M26/CRE配列におけるクロマチン再編成とストレス応答
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19570008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 邦史 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90211789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 耕志 独立行政法人理化学研究所, 柴田上席研究員研究室, 基礎科学特別研究員 (00342840)
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Keywords | 転写制御 / 染色体 / non-coding RNA / クロマチン / エピジェネティクス / ストレス応答 / 組換え / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
これまでの研究で取得してきたクロマチン再編成因子の変異株について、窒素源飢餓、グルコース飢餓など種々のストレスに対する要求性を詳しく解析し、個々のクロマチン再編成因子のストレス応答における役割を明らかにした(Hirota, et. al.,MBC,2008)。必須遺伝子Snf21については、温度感受性突然変異株等を作製し解析をはじめた。グルコース飢餓のシグナルに応答して1000倍以上の転写活性化が起きるfbpl遺伝子座では、グルコース飢餓に応答してプロモーター領域における多段階のクロマチン再編成が起きる。この領域で大規模なクロマチン再編成に至る過程で、当初RNAポリメラーゼがプロモーターのさらに上流を起点に長鎖non-coding RNAを合成し、徐々に短い転写産物に移行しながら、段階的に転写強度が増加する現象を見出した。この転写活性化の初期に見られる長鎖non-coding RNAの転写は、おそらくパイオニアポリメラーゼによって合成され、クロマチン再編成の段階的な活性化を誘起している事が想定される。そこで、パイオニアポリメラーゼがfbpl遺伝子座におけるクロマチン再編成においてどのような役割を果たすかについて解析した。今年度はまず、初期の長鎖non-coding RNAの正確な起点を一本鎖特異的なハイブリダイゼーションなどにより確認した。また、各段階におけるRNAポリメラーゼの染色体DNAへの結合状況をクロマチン免疫沈降法で確認した。加えて、上述のfbpl遺伝子座に着目し、グルコース飢餓状態からグルコースを培地に再添加した場合について、転写活性とクロマチン構造について解析を実施した。さらには、各種ストレス応答時で、ストレス遺伝子のプロモーター領域におけるヒストンのアセチル化やメチル化過程の解析に着手した。この際、ヒストンH3、H4の特定のリジン残基に対するアセチル化・メチル化を認識する抗体を用いてクロマチン免疫沈降法を行なって、ヒストン修飾の定量的解析を実施する。
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Research Products
(11 results)