2008 Fiscal Year Annual Research Report
M26/CRE配列におけるクロマチン再編成とストレス応答
Project/Area Number |
19570008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 邦史 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90211789)
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Keywords | クロマチン / エピゲノム / ヒストン / 組換え / 転写 / ストレス応答 / 減数分裂 |
Research Abstract |
ストレス応答遺伝子活性化や、減数分裂の相同組換えを活性化するDNA配列である、分裂酵母のM26/CRE配列に着目し、その周辺でストレス環境下や減数分裂時に見られる局所的なクロマチン再編成について、その作用機序・機能について研究を行った。昨年度までに、分裂酵母M26/CRE配列の周辺におけるピストン修飾やクロマチン再編成に関わる因子を多数同定し、それらの欠失変異株について、種々のストレスに対する感受性やピストン修飾における役割を解明した。本年度は、これらの成果の論文発表に関わる実験を行い、論文発表を行った。また、M26/CRE配列周辺を有する分裂酵母fbp1+遺伝子座において、グルコース飢餓時の転写活性化の過程で、mRNA型の長鎖ノンコーディングRNAのカスケード転写を介した多段階のクロマチン再編成が起こることを見出した。さらに、この長鎖ノンコーディングRNAのカスケード転写により、プロモーター周辺への転写活性化因子の結合が促進されることを見出した。mRNA型長鎖ノンコーディングRNAは、真核生物の非翻訳領域の過半で転写されているが、その機能は謎であった。この成果を元に、mRNA型長鎖ノンコーディングRNAを介した新しい転写活性化モデルを提唱した(Nature,2008)。
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Research Products
(19 results)