2008 Fiscal Year Annual Research Report
撹乱環境下における植物の分集団動態-撹乱強度と絶滅確率の関係に関する数理的解析-
Project/Area Number |
19570011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 壮則 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (80206755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 雅 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (90194274)
金子 有子 北海道大学, 琵琶湖環境科学研究センター・琵琶湖環境研究部門, 専門研究員 (90280817)
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Keywords | 集団維持機構 / コンピュータシミュレーション / 植物集団 / 時空間的変動 |
Research Abstract |
本研究で対象としている生活史の異なる木本種2種(トチノキ,サワグルミ)、林床植物3種(エンレイソウ、オオバナノエンレイソウ、スズラン)について、集団解析に使用する目的で、これまで個体にマーキング処理を施してある永久調査区において、個体の成長、生存、死亡に関わる継続追跡調査を行った。また、生活史パラメーターの変動が個体群の増加率に与える影響を評価する個体群増加率の感度や弾力性を用いる方法について検討が加えられ、生命表反応実験(LTRE)という手法を用いる解析をおこなった。 それらの研究の結果,クローナル植物のスズランでは、栄養繁殖に偏る特徴的な繁殖様式と、それにともなう特徴的な遺伝的構成の空間配置が見いだされた。その成果は、英文論文として2008年に公表されている。また、トチノキでは生命表反応実験いう手法を用いることによって,台風という自然撹乱が生息場所依存的に異なる影響をトチノキ集団に与えることや,集団動態の時空間的変動を反映する集団の維持機構、すなわち集団動態のKey stage,Key processが同定された。この成果については、現在英文論文をJournal of Ecology誌に投稿準備中である。他にも植物群集の共存安定機構をもたらす要因に関する理論研究がなされ,英文論文として2009年に公表された。現在これらの成果の一部が3本の論文、3回の学会発表において公表されている。
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