2007 Fiscal Year Annual Research Report
サギ類コロニー・集団塒の形成要因としての歴史性についての研究
Project/Area Number |
19570014
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳永 幸彦 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (90237074)
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Keywords | local enhancement / 地理情報システム / 採餌環境 / 営巣環境 |
Research Abstract |
本年度は主にサギ類の捕獲方法を確立した。過去23年来行ってきたコロニー内の個体を追跡して捕獲する方法は,サギ類の繁殖に多少とも影響することから、Fasola博士から個人的にアドバイスをもらい、睡眠薬を用いた捕獲を試みた。Fasola博士がすでに発表している9mgの睡眠薬では捕獲個体を昏睡状態にすることができなかったため、9-15mgの量で,各種に対して有効な睡眠薬の量を検討した。その結果、ダイサギ、コサギ、チュウサギを合計30個体捕獲することができた。捕獲した個体にはコロニー別に色分けされた個体識別ウィングタグを装着した。また、非繁殖期の冬期も留鳥としても一部南茨城県付近に残る可能性のあるダイサギとコサギについては、6mバンドの発信器を装着した。 発信器に関しては,装着後1〜2週間は良好に各個体の所在を追跡することができたが、残念ながら防水加工の部分で問題があり、1月以上後に送信を続けている発信器が1つも無かった。ただし、併用して装着したウィングタグを識別することによって、茨城県南部だけでなく、神奈川県町田市においても2カ所で、ウィングタグ装着個体の発見の届け出を受けた。死亡個体の報告は数件であることから、麻酔薬の使用とウィングタグや発信器の装着は、サギ個体の行動に大きなダメージを与えていないと考えられる。 GIS関連としては、過去23年間のコロニーの位置や立地条件をデータベース化する作業を始めた。特に日本野鳥の会との協力をはかり、野鳥の会のからむ過去データから、研究室の保有するデータの不足分を補う作業を行った。
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