2008 Fiscal Year Annual Research Report
外洋棲と陸水棲ウミアメンボ類間における行動の温度反応についての比較研究
Project/Area Number |
19570021
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
原田 哲夫 Kochi University, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (60260692)
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Keywords | 外洋棲ウミアメンボ / 淡水産アメンボ科昆虫 / 生活史 / 海流 / 海洋動態と降水 / 高温麻痺 / 高温耐性 / 季節適応 |
Research Abstract |
2008年6月、及び9月の淡青丸航海(KT-08-13、KT-08-23)と2008年6月のみらい航海(MR-08-02:西部熱帯太平洋)で、3種の外洋棲ウミアメンボを定量サンプリングし、またみらい航海では航海中に温度麻痺実験を行い、ウミアメンボ個体の高温による麻痺温度を求めた。 外洋棲ウミアメンボは、「海流に乗って様々な海域を渡り歩く旅人アメンボ」と「一定の場所に留まる定住型アメンボ」に分かれるという仮説が成り立つ。今年度の調査結果を照らし合わせると、6月の黒潮上(高知沖から房総沖)では採取されたのは殆どがコガタウミアメンボ(コガタ:小型種)成虫とツヤウミアメンボ(ツヤ:大型種)幼虫であったが、黒潮から外れた土佐湾内(9月)では採取されたのは殆どがセンタウミアメンボ(センタ:中型種)であった。2006年、2007年の淡青丸航海でも、8-9月の夏季に黒潮上で最も多く採取されたのはコガタであった。このように黒潮上の「旅人アメンボ」の多くはコガタではないかと考えられる。本種の多種と比較しての高い高温耐性はこのことを支持する。翻って、北赤道海流上(北緯17-12度)での27回に及ぶサンプリングの結果、ツヤは約1300頭、センタは約400頭、コガタは約300頭採取された。従って熱帯域を東から西へ流れる北赤道海流を乗って移動する「旅人アメンボ」のうち多くはツヤが占めると考えられる。コガタは、北赤道海流と黒潮に乗って西部太平洋を大きく循環する「旅人」かもしれない。 MR-08-02では北緯12度、東経135度の定点観測で採取されたツヤ成虫の麻痺温度を求めた。台風が発生し、天候や海況が悪化した後半の10日間に採取されたツヤは、比較的好天に恵まれた前半に採取されたものより、高温耐性が低かった。その原因として以下の3点が考えられる。1.台風発生に伴う、気温の低下(25℃以下を記録した回数が前半5回、後半10回)のストレス;2.台風発生に伴う波浪による物理的衝撃;3.台風発生に伴う、まとまった降水による浸透圧低下。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] New teaching materials on "life of oceanic sea skaters and adaptation to oceanic environment. (The 22^<nd> Biennial conference of the Asian Association for Biology Education, Osaka, Nov 21-24, 2008, Poster session P-37)2008
Author(s)
Yokota M, Tamura T, Inoue T, Takenaka S, Sekimoto T, Nakajyo M, Katagiri c, Harada T.
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Journal Title
Peer Reviewed
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