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2007 Fiscal Year Annual Research Report

捕食回避形質の進化的喪失と再獲得の進化発生学的研究

Research Project

Project/Area Number 19570026
Research InstitutionToho University

Principal Investigator

長谷川 雅美  Toho University, 理学部, 教授 (40250162)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮地 和幸  東邦大学, 理学部, 准教授 (50112909)
Keywords色素細胞 / 地理的変異 / 生物間相互作用 / 個体発生
Research Abstract

本研究では、選択圧の変化に対応した適応形質の進化的喪失と再獲得の歴史が発生過程に刻印されているとの作業仮説を立て、伊豆諸島と伊豆半島に固有なオカダトカゲの色彩パタン(ストライプ模様と青い尾)の進化をシマヘビに代表される捕食者への適応形質としてその進化過程を検証するため、以下の3点について研究した。
1)オカダトカゲの色彩パタンの地理的変異を色素細胞のレベルでの記載。
2)色素細胞の胚発生過程を、色彩パタンの異なる集団間での比較
3)伊豆諸島におけるオカダトカゲの主要な捕食者であるシマヘビの系統地理学的解析
その結果、以下の成果を得た。
1)色彩パタンの地理的変異を、ストライプの明瞭さと尾の青さが尾の全長占める割合の2つの面から解析した。ストライプの明瞭さは、胚発生の過程で他の色素胞に先行して分化する黒色素胞による縦列トライプの境界が明瞭に形成されるか否かによって決まっていることが明らかにされた。一方、尾部の青色は虹色素胞と黒色素胞で構成され、青色の部分の虹色素胞は茶色を呈する位置の虹色素胞よりも光を反射する小板が薄く、虹色素胞の2タイプの境界位置のずれが青色部分の長さにみられる地理的変異に対応していることが明らかになった。
2) ミトコンドリアのチトクロームb遺伝子の役1000塩基対を用い、捕食者シマヘビの分子系統樹を予備的に作成した結果、伊豆諸島のシマヘビは、本土の集団から少なくとも2度独立に侵入したことが示された。すでにオカダトカゲ伊豆諸島と伊豆半島の集団が1つの単系統を形勢し、ニホントカゲとははっきりと区別されることが分かっているため、オカダトカゲの不明瞭なストライプと不鮮明な尾部の青色パタンはまずシマヘビのいない状態で先に進化し、シマヘビの捕食圧が加わって色彩パタンの明瞭化が進化したことが示唆された。

  • Research Products

    (1 results)

All 2008

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] オカダトカゲの色彩パタンの地理的変異-色素細胞の発生学的研究-2008

    • Author(s)
      栗山武夫・宮地和幸・杉本雅純・長谷川雅美
    • Organizer
      日本生態学会
    • Place of Presentation
      九州
    • Year and Date
      2008-03-17

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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