2007 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物の和合受粉シグナルとその情報伝達系の解析
Project/Area Number |
19570040
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
岩野 恵 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (50160130)
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Keywords | 和合受粉 / イメージング / カルシウムイオン / シロイヌナズナ / アブラナ科植物 |
Research Abstract |
本申請では、申請者は、アブラナ科植物シロイヌナズナを用いて、和合受粉過程における乳頭細胞と花粉の情報伝達系を分子レベルで解明することを目的としている。そのために、本年度は、和合シグナル探索のための1)種々のバイオアッセイ系の構築と、2)和合受粉過程における種々の生理変化に関わる乳頭細胞の遺伝子を特定することを目的とした、マイクロアレイをおこなった。その結果得られた成果について、以下に示す。 (1)「和合受粉シグナル」の探索のためのバイオアッセイ系の構築 ・Ca^<2+>に対して親和性の異なるカルシウムセンサータンパク質イエローカメレオン(YC)、YC3.60やYC4.60を乳頭細胞の細胞質や小胞体で発現させてモニターする系を構築した。そしてモニターの結果、受粉あるいは花粉表層物質の添加によりCa^<2+>変動が誘導された。 ・蛍光指示薬(Oxy Green)を用いた活性酸素のイメージングにより、受粉後花粉管周辺で活性酸素の発生が誘導された。 ・蛍光指示薬(Calcium Green)により細胞外Ca^<2+>をモニターした結果、受粉あるいは花粉表層物質の添加で、乳頭細胞へのCa^<2+>と水の移動が誘導された。 上記のアッセイ系を用いることにより「和合受粉シグナル」の性状探索が可能であると考えられる。 (2)マイクロアレイによる和合受粉関連遺伝子の探索 乳頭細胞を含む柱頭で、受粉後に発現誘導される遺伝子を探索することを目的として、シロイヌナズナの受粉直後と受粉後15分の柱頭をサンプリングし、RNAを抽出してマイクロアレイを行った。また、花粉表層物質のみを大量の花粉から取り出し、乳頭細胞に付着させた後に柱頭をサンプリングし、花粉由来のRNAの影響を除いた遺伝子発現の変動をマイクロアレイにより調べた。その結果、Ca^<2+>変動に関わる遺伝子やベシクル輸送に関わる遺伝子の発現上昇が認められた。
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Research Products
(4 results)