2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物葉緑体カルシウム依存型緊縮制御因子の機能的役割の解明
Project/Area Number |
19570042
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
戸澤 譲 Ehime University, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (90363267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七宮 英晃 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 助教 (50366944)
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Keywords | 植物葉緑体 / カルシウム / ppGpp / 緊縮制御因子 |
Research Abstract |
バクテリア緊縮応答機構の制御物質ppGppならびにppGppの合成酵素が植物の葉緑体に存在していることが近年明らかにされてきた。植物ppGpp合成酵素は、RSH(RelA-SpoT homolog)と命名され、一群のRSHは葉緑体に局在して機能することが示されている。我々は、植物(イネ、シロイヌナズナ)から新しいタイプのRSH遺伝子を見出し、コードタンパク質の機能解析を進めた。初年度(平成19年度)は、エンドウマメ葉緑体を用いた試験管内移行実験を行ない、成熟タンパク質の葉緑体移行を確認した。成熟型タンパク質のアミノ酸配列には、C末端側に2つのEF-handモチーフが存在することから、カルシウムイオン結合による機能制御系の存在が予想された。そこで、無細胞翻訳系によりこの新規タンパク質を合成・精製し、ppGpp合成活性の解析を進めた。その結果、カルシウムによる精製タンパク質のppGpp合成活性化、ならびにEF-handへの点変異導入によるカルシウム異存的ppGpp合成活性化作用の消失を確認した。以上より、新たに見出したRSHはカルボキシ末端のEF-handモチーフによるカルシウム活性制御を受ける新規RSHタンパク質であることを確認し、我々はこの新しいRSHをCRSH(Calcium-activated RSH)と命名した。本研究により植物葉緑体内にカルシウムシグナルと連動するppGppシグナル系が存在する事を世界に先駆けて示し、論文発表を行なった。
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