2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物葉緑体カルシウム依存型緊縮制御因子の機能的役割の解明
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19570042
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
戸澤 譲 Ehime University, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (90363267)
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Keywords | 植物葉緑体 / カルシウム / ppGpp / 緊縮制御因子 |
Research Abstract |
光合成真核生物は、原核生物を起源とするオルガネラである葉緑体を有する。葉緑体は独自の環状ゲノムとともに、原核生物型の転写・翻訳のシステムを持つことが明らかにされている。独立栄養生物である植物は多くの物質生産系を葉緑体に依存している。我々は、葉緑体には栄養飢餓を感知し、自己防衛システムを機能させるためのシグナル伝達系が発達していると予想し、原核生物型の緊縮制御系の遺伝子探索を進めてきた。我々はこれまでに、葉緑体には緊縮制御システム、すなわちグアノシン4リン酸(ppGpp)合成酵素系が機能していることを酵素遺伝子レベルで明らかにしてきた。本課題においては、高等植物の葉緑体に特異的に存在するカルシウムイオン依存型の緊縮制御因子であるCRSH遺伝子の機能解析を進め、高等植物に発達しているカルシウムシグナル伝達機構の端末の一つとして葉緑体におけるppGpp合成酵素が機能することを平成19年度に世界に先駆けて示した。 平成20年度は、葉緑体内でppGppの標的となるタンパク質の推定を行い、まず、核酸生合成系の酵素タンパク質の合成および精製を進めた。原著論文、和文総説、ならびに学会発表において研究報告を行った。
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