2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミルクスタシスを制御するローカルモノアミンネットワーク
Project/Area Number |
19570052
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 学 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30282726)
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Keywords | 泌乳制御 / セロトニン / ヒスタミン / カテコールアミン / 乳腺 |
Research Abstract |
発達した乳腺で発現するモノアミン合成代謝酵素およびそれにより産生されるモノアミン類の機能と作用機構の理解を目的として、泌乳中の乳腺における局所的なミルクスタシス制御に、乳腺由来のヒスタミンやセロトニンがどのように関わっているか、また、発達した乳腺に高発現するノルアドレナリン合成酵素に類似したタンパク質であるDBH-LP2およびその反応産物の機能は何かについて、これらモノアミン合成酵素遺伝子欠損マウスの解析および細胞に発現させた酵素タンパク質の生化学的な機能解析を通じて調べた。(1)ヒスタミン欠乏マウスにおける泌乳分泌不全の解析では、HDC-KOマウスの仔の成長不良が、母親の育仔行動や乳汁の質の変化によるものではなく、過少な乳汁分泌量によるものであり、これには乳腺自体の持つボルモン感受性の低下が主因であることがわかってきた。(2)DBH-LP2タンパクの機能解析研究では、CHO細胞発現系および昆虫細胞発現系を用いて、DBH-LP2タンパク発現細胞を得たが、高発現細胞は得られなかった。DBH発現細胞は得られるが、DBH-LP2発現細胞が得られなかったのは、同分子の水酸化酵素活性の有無によらず、機能がわかっていないC末ドメインの性質によることがわかってきた。このほか、乳腺局所のモノアミンおよび低分子環境の把握のためのマイクロダイアリシス法の確立、および、乳腺腺房細胞のTPH合成に対する細胞接着環境の影響の評価を行うための培養実験系の確立に向けて、実験的アプローチを試みた。
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Research Products
(4 results)